多くの方が、住まいで万が一の不安を感じるのは地震と火事です。万が一火事が起きたら家はどうなるの?!自分の家ではなくても近隣の家で火事があったら?! 気をつけているつもりでも、自分では防止することができない場合もあるので、より心配になりますよね。
家づくりは、地震・火事の発生を考えて家の構造や素材を厳選して組立てています。災害や事故を防止することは難しいですが、被害を最小限にすることは可能なのです。
今回、オスカーホームのプラン設計を担当している設計士が、オスカーホームが火事に強い理由を専門的な立場から説明します。
オスカーホームの家が耐火性能にこだわる理由
住まいの耐火で大切なのは、万が一出火しても、家中に燃え広がらないことと近隣への延焼を防ぐことです。つまり、最低限の出火に抑え、消火が行われることが理想なのです。これを実現するには、家の材料だけでは限度があるため、構造そのものが耐火性に優れている必要があります。
オスカーホームでは、耐火性能に優れた構造をもつ「2×4工法」と呼ばれる工法で家づくりを行っています。
2×4工法が耐火性に優れている構造上の特長
オスカーホームの家の建築方法、2×4工法は、他の工法と比較しても耐火性に優れた構造となっています。その大きな理由は、2×4工法が床や壁のパネルで構成されているからです。
火の通り道をふさぐ「ファイヤーストップ構造」
一般的な木造住宅といわれる柱や梁で構成された在来工法などの住宅の場合は、火災が発生した時に、炎が床下や壁内部の隙間から天井や小屋裏の空間を伝わって燃え広がります。
一方で、2×4工法の住宅の場合は、床や壁のパネルを構成している部材が火の通り道をさえぎる役目として機能するので、火災が上の階や隣室に燃え広がるのをくい止めます。これを「ファイヤーストップ構造」と呼んでいます。
パネル内部構造による耐火性能
床根太、枠組材などが一定間隔で組まれているパネル内部の構造(写真)は、小さな防火区画がいくつもつくられているのと同じ状態です。
この一つ一つの区画が妨げになることによって、火の進行はさらに遅くなり初期消火の可能性を高め、火災時の被害を最小限に抑えます。
オスカーホームが採用している耐火性能抜群な素材「石膏ボード」
石膏ボードとは?
2×4工法はすべての壁や天井が、燃えにくい「石膏ボード」という下地材で覆われています。石膏ボードは、壁や天井を覆うためのボードで、大部分は石膏で作られています。約21%の結晶水を含んでおり、これが耐火には重要な役割を果たします。
オスカーホームでは、階上への延焼を防ぐために、一部の天井には厚さ9ミリの石膏ボードを2重張りにしています。
石膏ボードが発火を遅らせる仕組み
石膏ボードに含まれる結晶水は通常の状態では発散することはありませんが、火や熱などの高温にさらされるとこの結晶水が熱分解し、水蒸気となって徐々に放出され、温度の上昇を遅らせる働きをします。
万が一、家の中で火災が発生しても、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくいため、壁や床の中にある構造材が燃える温度(約450℃)に達するまでの時間を大きく遅らせる効果があります。
火災保険に有利な「省令準耐火構造」をクリア
耐火性に優れた2×4工法は木造でありながら国が定める基準の「省令準耐火構造」に適合しています。
「省令準耐火構造」の住宅とは、建築基準法の耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として住宅支援機構の基準に適合する住宅をいいます。
>「省令準耐火構造の住宅」の特徴 (住宅金融支援機構)
保険料が約50%軽減
「省令準耐火構造」に適合された建築物は、火災保険の構造区分で「耐火建築物」や「準耐火建築物」と同等の区分となり、一般の木造建築物に対して保険料が約50%に軽減されます。それだけ耐火性があると見なされているということですね。
省令準耐火構造に適合される住宅の条件:
住宅の条件 | オスカーホームの住宅 |
隣家などから火をもらわない(外部からの延焼防止) | 壁材や軒裏に防火サイディングという燃えにくい外壁材を標準仕様として使用しています。 |
火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない | 発火を遅らせる石膏ボードで全ての壁天井が覆われています |
万が一部屋から火が出ても延焼を遅らせる | 2×4構造は火が出てもに2重3重の防火機能をもつ「ファイヤーストップ構造」 |
もらい火に強い「防火サイディング」を採用
火災時に木造住宅が燃焼する温度は実に1200℃にも達します。火元から3m離れた隣家でも約830℃の熱を受けるとされます。
オスカーホームでは、外壁材に国土交通大臣認定の不燃・準不燃材を標準採用しています。900℃以上の熱に1時間以上耐える「防火サイディング」として、隣家の火災によるもらい火に対して高い防火性を発揮します。
記事執筆者より一言
普段は住宅の設計を担当している者ですからどうしても説明が堅苦しくなってしまいましたが、ややもすると住宅は間取りや外観に囚われたり、値段は安い方が良いと考えがちですが、火災や地震などの災害から家と命を守ってくれる性能が標準で備わっているかも考えて頂きたくて書かせてもらいました。住宅を決める際の参考にしていただけると嬉しいです。