知っておきたい—ファイナンシャルプラン(FP)て何?
家を買う・建てようと考えている方は、多額のお金がかかる住宅取得の際に、住宅ローンなどを借りても何十年も返し続けることが出来るだろうかと、漠然と不安になる方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな漠然とした不安を、個人ごとのライフプランの中から分析・指導して提案してくれることを【ファイナンシャルプラン】といいます。
ファイナンシャルプランについて相談できるのが、【ファイナンシャルプランナー】という専門の資格を持った人になります。
今回は、ファイナンシャルプランについて紹介します。
目次
◆人生100年時代のライフプランは?
人生100年時代と言われる昨今では、ライフスタイルが多様化し、それぞれの生き方や価値観に合わせ、日々の生活に関わる「お金の悩み」や定年後の「働き方・くらし方」など、お金に対する考え方や準備の仕方を変えていく必要があります。
ライフプランには大きく分けると以下のような悩みや不安が考えられます。
- マイホームを購入したいけど、住宅ローンが生活を圧迫しないか不安
- 今は困ってはいないけれど、このままで大丈夫か漠然とした不安がある
- 老後の生活資金は足りるだろうか、どんな生活ができるだろうか
- 独立・起業したいけれど一時的に収入が下がりそう、生活は成り立つだろうか
- 人生100年時代というけれど、実際何をどのように備えればいいんだろうか
人生100年時代では、年金や医療費、資産運用といった「お金の悩み」や定年後の「働き方・暮らし方」など、お金に対する考え方や準備の仕方を変えていく必要があるかも知れませんね。
◆主なライフイベントにかかる費用の目安
まずは、長いライフプランの中でも特別な出費(ライフイベント)となることや、考えておかなければいけない費用を算出してみます。
①結婚費用約304万円:
結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用総額(全国推計値)
②出産費用約47万円:
出産費用の総額(入院料・室料差額・分娩料・検査・薬剤料・処置・その他)
③教育資金訳1,002万円:
子供1人あたりの総額(幼稚園から高校まで公立、大学のみ私立の場合)
④住宅購入費約3,605万円:
住宅の平均購入価格で建売住宅は約3,605万円、マンションは約4,528万円
⑤老後の生活費約26万円:
高齢夫婦無職世帯の支出約26万円/月
⑥介護費用約17万円:
介護保険受給者1人あたり使用額は約17万円/月(保険給付額、公費負担額及び利用者負担額の合計額)
⑦緊急資金約60万円以上:
生活費の3ヵ月分~1年分を確保。(1ヵ月の生活費が20万円なら60万円~240万円)
※データはそれぞれの関連する機関の資料に基づきます。
結婚・住宅購入・子供の教育費など節目節目で大きな出費があり、収入が少なくなるころには老後の生活費や介護費用などの支出が必要になってきます。
◆ファイナンシャル・プランニングとは
人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。
ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。
これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家が、FP(ファイナンシャル・プランナー)です。
◆ファイナンシャルプランナーに「くらしとお金」に関する相談を
FPは、相談者の夢や目標を達成するために、ライフスタイルや価値観、経済環境を踏まえながら、家族状況、収入と支出の内容、資産、負債、保険など、あらゆるデータを聞き取り現状分析します。
そして、相談者の立場や、ライフイベントを考慮したうえで、長期的・総合的な視点でさまざまなアドバイスや資産設計を行い、併せてその実行を提案・援助します。
家計の見直し、老後の生活設計、教育資金の準備、住宅購入資金準備や住宅ローンの見直し、資産運用の方法や金融商品の選択ポイント、保険の見直し、税制や相続に関することなど、相談することができます。
◆ファイナンシャルプラン相談の例
住宅資金
いくらの住宅物件なら購入できるのか、住宅ローンの負担をなるべく軽くしたいなど、住宅ローンの借り方・住宅ローンの繰上げ返済と借換え方法などを提案します。
家計管理提案
日々の家計管理・将来のための貯蓄方法などを提案します。
老後の生活設計
老後の生活費はどのくらいかかるか、老後の生活資金をどのように準備したらいいのかなどを、日々の家計管理・将来のための貯蓄方法などを提案します。
教育資金
子どもの教育資金はどう準備したらいいのか、住宅ローンと教育費の両方を払っていけるのかという不安など、教育資金の準備方法・奨学金の活用法などを提案します。
年金・社会保険
年金はいつからいくらもらえるのか、出産や育児でもらえるお金ってどうすればいいのかなど、公的年金制度の仕組み・社会保障制度の仕組みなどを指導します。
資産運用
退職金を運用したいがどのようにしたらいいのか、投資信託などの金融商品の選び方を知りたいなど、退職金の運用方法・投資信託などの金融商品の仕組みなどをプランニングします。
税制
医療費控除を申請できる医療費には、どのようなものがあるのかなど、医療費控除や配偶者控除などの仕組み・所得税などの仕組みなどをアドバイスします。
保険
現在、加入している保険の内容が適正なのかわからない、保険の見直しどうしたらいいのかなど、保険の仕組み・必要な死亡保障・医療保障の考え方を提案します。
介護・医療費
介護費用はどのくらいかかるのか、介護保険ってどんなものかなど、介護費用の準備方法・介護保険制度の仕組みなどをアドバイスします。
相続・贈与
遺言書の書き方など、相続の準備について知りたい、孫に預金等を贈与すると税金がかかるのかなど、遺言や相続に関する準備方法・子や孫への資金贈与などを提案します。
ファイナンシャルプランナーは、必要に応じて弁護士や税理士、社会保険労務士、保険・不動産の専門家、銀行・証券会社などの各分野の専門家のネットワークを活かしながら、より適切なプランの提案を行なう場合もあります。
◆さて、本人がやるべき対策は?
ライフプランを作成して夢のある未来を描く
自分の夢とは?理想の生活とは、価値観と現実に向き合い、実現するためのライフプランを描きましょう。
お金について学ぶ
人生の選択肢を増やすこと、金銭面の漠然とした不安があるとどうしても無難な選択をしてしまいます。お金について学ぶことは、夢や目標を実現するための第一歩になります。
専門家(ファイナンシャルプランナー)に相談する
ファイナンシャルプランナーは幅広いくらしとお金に関する相談にのり、人それぞれの夢の実現をお手伝いする資格を持った専門家です。
住宅会社の営業担当の方がFP相談をしてくれる場合もありますが、どうしても住宅会社よりの誘導をしがちになります。
有料でもいいから第3者的な立場でFP相談してくれる方を選ぶことをお勧めします。
◆まとめ
ここでは、具体的な解決法の提案はしませんでしたが、今後のライフステージの中でお金にまつわるいろいろな出来事をシミュレーションして、住宅ローン返済やお子様の教育費などの長期に渡る支払いと自分の収入計画がバランスできるかなどを知ることで、悩みや不安が解消できるのはないでしょうか?
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