知っておきたい–住宅ローンの「金利」について
住宅ローンを借りるときに、誰もが気になるのが「金利」ですね。
よく耳にする【変動金利】と【固定金利】ですが、その違いはそもそも何?
また、「今は金利が低いタイミングなの?」など、はじめて住宅ローンを借りる人が思う疑問について簡単に説明します。
目次
◆住宅ローンの金利タイプは主に3種類
住宅ローンの金利タイプは、主に以下の3つの種類があります。
一般的には、契約した金利で固定できる期間が長いほど金利は高くなり、短いほど低くなります。
【固定金利】
返済開始から完済するまで、最初に設定した金利が固定されます。
金利が変動しないので返済額が固定されており、返済計画が立てやすくなりますが、金利が低くなっていくと不利になる場合があります。
【固定期間選択金利】
3年、5年、10年などの期間設定をして、一定期間中は金利が固定となる借り方です。
期間終了後に改めて金利タイプを選択して借り換えを行います。そのため、金利状況により総返済額が変動します。
金利が低くなる傾向の場合には、都度低い金利に乗り換えていくことが出来ます。
【変動金利】
契約時の金利が固定されるのは当初の半年だけで、以後は一般的に半年ごとに金利が見直されます。
金利動向による返済額の見直しは5年ごとに行われますが、次の5年の返済額の上限は直前の返済額の125%までとなります。
変動金利は利率が低く設定されているので、中・長期的に金利が安定すると予想される場合には有利な借り方と言えます。
家を取得した先輩たちはどの金利タイプを選択したの?
住宅金融支援機構の調査結果によると、「変動金利35年」がトップの52.3%、次いで「固定金利35年【フラット35】」が28.6%「期間固定金利」を選んだ人の合計は14.4%という結果になりました。そして「期間固定では「10年」を選択した人が5.9%と最も多かったです。
ここ数年の、住宅金利が緩やかに上昇しているとはいえ、まだまだ低い傾向なので「変動金利」を選択する方が多いと考えられます。
◆住宅ローンのこれまでの金利推移
住宅ローンの金利は、国内の景気や物価、日銀の金融政策、為替レートなど、さまざまな要因で変動します。
近年の金利推移をみると、平成7(1995)年ごろから現在まで低金利の状態が続いていることが分かります。
◎民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)
※ 主要都市銀行のHP等により集計した金利(中央値)を掲載。なお、変動金利は昭和59年以降、固定金利期間選択型(3年)の金利は平成7年以降、固定金利期間選択型(10年)の金利は平成9年以降のデータを掲載
低金利で住宅ローンを借りるメリットは、金利(利息)の負担が少なくなるため、総返済額が抑えられることです。
では、金利の利率によって総返済額がどれぐらい違うのかをみてみましょう。
◎金利と返済総額の差
例:3500万円を全期間固定金利、返済期間35年で借り入れた場合の総返済額の試算をしてみました。
金利2.0%と金利1.5%を比較すると、0.5%の違いで総返済額は約370万円多くなることが分かります。
これで、金利の差がどれ程返済金額に差がでるのかご理解いただけたと思います。
◆家の買い時・建て時は?
人生で最も大きな買物といえる住宅、いつ買う・建てるかは、家計や貯金の状況、ライフステージの変化によるタイミングなど、人それぞれといえます。
ある調査では、先輩たちが家を考えた時期のトップは「家が欲しいと思った時」で、2位は「良い土地が見つかった時」と続くことから、タイミングは人それぞれであることがうかがえます。
ただし、「金利が上がる前」と答えた人も一定数いらっしゃるようです。住宅金利の傾向も住宅取得のきっかけと言えそうです。
まとめ
長く続く、日銀の低金利金融政策もインフレ傾向が進んできた2023年ごろから少しずつ変化が見られ、住宅金利も徐々に上昇の傾向が出てきています。今はまだ低い金利状態であるといえるので、【金利固定】【固定期間選択金利】【変動金利】のどの金利が有利なのかをうまく使い分けて住宅ローンを組まれることをお勧めします。
なお、住宅ローンは【固定金利】にしたからと言ってずっとそのままにしなければいけないわけではなく、違う金融機関を使って、いったん一括返済して改めてその金融機関とローンを組み直す【借り換え】も可能なので、金利の動きに合わせて上手に返済していきましょう。
一言に住宅ローンと言っても、金融機関によっても違いますし、労働金庫や住宅金融支援機構「フラット35」のようなものもあります。
まずは、1社に絞らずに見積りを取ってみることをお勧めします。審査などの手続きが面倒な場合には住宅会社の営業担当と相談する方法もあります。