中古住宅(既存住宅)を購入するメリット・デメリットは?
今回は、中古住宅(既存住宅)を購入する際のメリット・デメリットをまとめてみました。
また、中古住宅の購入はどんな人に向いているか、購入する際の注意点までをご紹介します。
目次
■中古住宅(既存住宅)を購入するメリット
自分の理想の間取りやデザインを自由に詰め込めることが戸建て住宅の魅力ですが、他の人が建てた注文住宅を中古で購入することには、どんなメリットがあるか具体的に紹介していきます。
手ごろな価格で手に入る
一番の魅力は新築の注文住宅、建売住宅に比べ、価格が手ごろという点です。
新築と同様の広さ・立地と比べると、築年数にもよりますが、築10年で1,000万円ほど販売価格が下がることがあります。
築25年を経た物件では建物の評価額はほとんど無くなり、土地のみの価格になる場合が多いです。価格の安さは大きな魅力と言えます。
比較的いい立地に物件がある
利便性の高い立地は、すでに住宅が建ち並んでいるため、新たに住宅を建てようとすると郊外に新しく開発された分譲地などになる場合がほとんどです。
中古住宅なら、まだ住宅が密集する前に建てられた物件のため、最寄りの駅まで徒歩10分以内や小中学校に近いなど、比較的いい立地に物件が見つかりやすいです。
住みたいエリアに住むことができる点は中古住宅の大きなメリットになります。
すぐに住み始めることができる
新築住宅を建てる場合は、建築から住み始めるまでに最低でも半年、長ければ1年以上の時間がかかります。それに比べ、中古住宅はすぐに住み始めることができます。
入居前に壁紙だけ張り替えるなどのちょっとした手直しや一部の設備を交換する場合でも数日から数週間で済ませることが出来ます。
実際の物件を確認できる
中古住宅は、すでに存在している建物なので、住宅そのものを見て、間取りの確認や近隣の環境などの生活のイメージを想像してから購入するかどうかを決めることができます。
リフォームで新築同様にできる
中古物件を購入し、柱などの構造部分を残して解体し、大幅なリフォームをすることも出来ます。
築年数の経った中古物件を選択することで購入価格を抑え、浮いた予算を内装や設備のリフォームに使えば、新築の住宅のような住み心地になります。
■中古住宅(既存住宅)を購入するデメリット
ここからは、中古住宅を購入する場合のデメリットについて紹介します。
自分好みの家を見つけることが難しい
いちから建てる新築の注文住宅に比べると、中古住宅は希望通りの間取りや外観の家というものは、なかなか探せません。
また、建てた時のオーナーのこだわりが強く好みに合わない物件もあるため、せっかく希望の立地に中古の注文住宅を見つけたとしても、自分の好みとは限りません。
多少の間取り変更などのリフォームを頭に入れておく必要があります。
大きな間取り変更は難しい
建物の構造によっては、希望する間取りへの変更が難しい場合があります。
戸建て住宅には、撤去しても問題ない壁や柱と、耐震などの構造上、撤去することのできない壁や柱があります。購入前に構造や工法なども確認しておくと良いでしょう。
設備が古かったり傷みが大きい場合、リフォーム費用がかかる
築年数が経っていて、キッチン、お風呂、洗面、トイレなどの水回り設備が古く、劣化が大きい場合は、設備交換に費用がかかることを頭に入れておく必要があります。
一般的には、築15年から20年を過ぎると水回り設備の劣化が出てきます。
キッチン、お風呂、洗面、トイレ4カ所のリフォームには少なくとも200万円程度が必要です。
住宅ローン借入が希望額より低い可能性がある
中古の注文住宅でも住宅ローンを利用できますが、担保価値が新築住宅に比べて低くなるため、借入額が少なくなるというデメリットがあります。
そもそも住宅ローンとは、今から建てる・買う住宅を担保にして、金融機関が住宅資金を融資します。
中古住宅は、新築と比べて資産価値が低いため、希望する融資額が受けられない可能性があります。
購入の際には住宅ローンを当てにするのではなく、少しでも自己資金を準備しておくと良いでしょう。
■中古住宅(既存住宅)の購入に向いている人は?
条件の良い立地を探している人
駅やバス停、スーパーが近いなど、良い立地は人気が高く、新しく希望の場所に価格や間取りの条件を満たした土地や新築物件を見つけるのは至難の技です。
ですが、数十年前に建てた中古住宅なら良い立地に建っているため、利便性を重視している人は中古住宅の購入を検討すると良いでしょう。
自己資金が少ない人
中古物件は新築物件に比べ安く購入することができます。
物件にもよりますが、築10年程度で元の住宅価格より1,000万円ほど価格が下がる場合もあります。
自己資金が少ないなど、資金面や返済計画に不安がある方には中古住宅購入が最適と言えます。
■中古住宅(既存住宅)を購入する際の注意点
最後に中古住宅を購入する際の注意点についてお伝えします。
耐震性に問題がないか調査を
中古の注文住宅を購入する場合は、築年数にもよりますが、耐震性について調べておくことをおすすめします。
1981年5月31日までの旧耐震基準(震度5強程度の地震で建物が倒壊・崩壊しない、補修すれば居住可能)や1981年6月1日以降に改正された新耐震基準(震度6~7程度の地震で建物が倒壊・崩壊しない)が定められる以前に建てられた住宅の場合は、耐震診断の資格を持つ方にチェックを依頼し、耐震性が低い場合は耐震リフォームを行うことをお勧めします。
ホームインスペクション(住宅診断)をしておくと安心
耐震性と同様に中古住宅を購入する際に気になるのは、雨漏り・結露・シロアリ被害など住宅の目に見えない部分が傷んでいるのではないかということです。
そこで、購入前に住宅の検査を行うのが「ホームインスペクション(住宅診断)」です。
住宅診断の資格を持つ人が住宅の劣化状態や欠陥があるか、修繕の必要があるかなどを客観的にチェックして報告してくれます。
住宅診断をした上で、中古住宅を購入すれば、より安心感を持って住み始めることができるでしょう。
どこまでリフォームできるか確認
中古住宅を購入する方の中にはリフォームをしてから住もうと考えている方もいるでしょう。
ただ、ここで注意したいのは、住宅には構造上でリフォームしやすい家、しにくい家がある点です。
木造の戸建てには在来(木造軸組み)工法と2×4(ツーバイフォー)工法があります。
柱と梁で組まれている軸組み工法は間取り変更が比較的容易と言われています。ただし耐震性を全く考慮していないリフォーム提案をしてくる会社も多くあるので注意が必要です。
それに対し、面の組み合わせで作られている2×4(ツーバイフォー)工法は耐震性について構造計算されているので安心ですが、その分間取り変更に制限がある場合があります。
壁紙や床の張替えや水回りを変えるなど、間取り変更を伴わないリフォームの場合はどちらも問題はありません。
周辺環境や近隣住民との人間関係を把握する
中古住宅は、近隣住民が古くから住んでいる人が多いため、近所づきあいが濃密な地域も多く、自治会への参加が必須な場合もあります。
また、新興住宅地の場合は同時期に同世代の世帯が入居しているため、結束が強い傾向があります。
全ての人間関係を調べることはできませんが、お年寄りが多いのか、子育て世帯が多いのか、学生が多いのかなどは把握しておきましょう。
駅やスーパーなどの利便性だけでなく、周囲を歩いてみて、道路や公園、ゴミ収集場所、治安などの周辺環境もチェックしましょう。
■まとめ
中古住宅(既存住宅)には、さまざまなメリットとデメリットや注意点があることがお分かりいただけたと思います。
メリット・デメリットをしっかりと理解した上で、良い条件の中古住宅(既存住宅)を見つけましょう。