「家を建てる・買う」ということ
現在、「家を建てよう・買おう」と考えている方に、すでに家を建てて住んでいる自分の経験からアドバイスを書かせていただきます。
◆まずは、いつ建てるか
現在も、結婚を機に賃貸アパートに住み、出産や子供の成長に伴い家を建てる決意をするというパターンが多いのではないでしょうか?
建てる年齢は結婚や子育てと直結しているので、正解はないですが、人生設計の大きな要素でもあるタイミングは十分検討して決めましょう。
特に資金的に大きなローンを組む必要がある場合には、遅くなればなるほど返済完了時の年齢も高くなるので「いつ建てるか」が重要になります。
私は、年齢的には30代後半に建てたのですが、今となれば30代前半に建てていれば返済計画などにもう少し余裕が持てたと感じています。
◆どこに建てるか
建てる場所をどこにするかは、とても大事なことです。新しく宅地を探す場合以下のようなことを考えましょう。
①、勤務地との距離や相互の両親の家との距離、学校などの距離など、まず自分達が考えるエリアをいくつか決めることをお勧めします。
②、エリアの中に、販売されている宅地分譲がないかを不動産情報などで探します。
③、宅地として何坪欲しいのか、住宅の床面積はどれほど欲しいのか、などで販売されている土地を絞り込みましょう。
④、自分たちが家を建てる際に用意できる総予算から、土地に出せる金額を割出しておいて探すとよりベターです。
⑤、ある程度土地を絞り込んだら、実際に見に行きましょう。学校へどのように通うのかとか、近隣の環境がどうなのかなどは実際に見に行かないと分からないので、十分なチェックをしましょう。平日と週末とに分けて見に行くこともお勧めします。鉄道や大きな道路があるとか、工場などが近いなどマイナスポイントがあると建ててから後悔することになります。
⑥、ハザードマップなどで浸水危険エリアであるとかなども調べておきましょう。いざという時に、転売できそうな宅地なのかも大事なのです。
⑦、道路に対しての方位は、建てる住宅との相性があります。一般的には【南向き】【東向き】などが求められますが、オスカーのガレージプランなどは【北向き】の方が適した間取りになるようです。
◆住宅会社を選ぶ
家を建てるとなったら、建ててもらう住宅会社を選ぶことになります。どこの住宅会社にするか決めるためには以下のような手順で勧めたいですね。
①、ホームページで自分が建てたいエリアにどのような住宅会社があるかを調べます。住宅関係のポータルサイトなどで探す方法もあります。
②、ホームページなどを通じてカタログなどの資料を請求しましょう。
③、カタログやホームページで住宅会社の基本的な技術や性能・アフターサービスなどを調べます。
④、プランや建築実例などをみて、住宅会社の外観や内装のデザインなどのイメージを掴んでおきます。
⑤、総合住宅展示場で住宅を見ながら住宅会社を決める方法もありますが、フル装備の住宅展示場のモデルハウスはあまり参考にならないのと、見学した会社からの売込みが入るので、あまりお勧めしません。
住宅会社をある程度絞り込んで、住宅展示場やモデルハウスで実際の住宅を見学なさることをお勧めします。
⑥、住宅会社の営業担当も大きな要素となります。「自分の会社のことだけでなく他社の住宅の短所・長所なども知っているか。」や「営業姿勢に誠実さを感じ取れるか。」などは自分の直感を信じても構わないと思います。他社の悪口ばかりを言う人は論外ですね。
ここでは、契約が欲しい住宅会社の契約本意の口車に載せられないように気を付けてください。
他社競合した際に平気で100万・200万円値引いてくる会社も見受けられますが、なぜ値引くことが出来たのかを確認しましょう。基本、信頼できる住宅会社とは言えないと思いますが。
◆建てる時の資金と返済計画
宅地が決まり、土地の値段が決まると上物である建てる住宅を決めておおよその総額が分かってきます。そこで、資金計画をたてます。
住宅資金の考え方:【土地代金】【住宅本体代金】【外構】【家具・カーテン】など大まかな項目にどれだけ必要なのかを計算します。
それと同時に返済計画を立てます。【頭金として出せるお金】は自分たちの住宅のために貯めた貯金やご両親の援助などを充てます。残りのお金が【ローンを組む金額=返済金額】になります。預金は全額頭金には回さず【引っ越し費用】や不意の出費用に残しておきましょう。
ここで重要なのは【住宅ローン】をどこで組むかです。大手銀行・地方銀行・信用金庫・労働金庫などの金融機関や日本住宅支援機構などがいろいろな返済プランで住宅ローンを提案しています。金利も固定金利にするか変動金利にするかなどでも返済金額が変わるので、ホームページで調べたり、住宅会社の営業担当やファイナンシャルプランナーなどに相談されることをお勧めします。
ファイナンシャルプランナーは、人生設計上の収入計画と支出計画を出してもらい、借入限度額の目安や返済計画まで相談できるライフプランの専門家です。有償の場合もありますが、ぜひ活用されることをお勧めします。
現在は、金利も低く35年固定金利でも1%台で住宅ローンが組める時代で、変動金利では0.5%以下で借りることもできるようです。
所得がさほど上がらなくても返済できるので、住宅を建てるにはいい時代が続いているのではないでしょうか?
もっとも、ウクライナ紛争が起きてから円安や世界的な資源不足による急激な原材料高騰にもみまわれ、住宅価格がここ1年で200万円以上上がっているようなので、建てるタイミングを計るのが今なのか、難しい局面になっていると感じます。
ただ、インフレ局面に入っているとしたら、物価は上がっているけれど住宅金利が低く抑えられている今も住宅を建てるチャンスと言えるかもしれません。
◆外構工事も同時に施工
土地が決まり、住宅のプランも決まり総額が出た時点では、ほとんどの住宅会社の見積り総額にはアプローチや車庫などの外構予算が加えられていません。
住宅会社の営業マンは、見積り総額が大きくなりすぎると契約してもらえない場合があるので「外構は建てた後で考えましょう。」とか言ってくる時がありますが、新築時にアプローチなどの外構までは同時に施工することをお勧めします。
そして、外構予算なども加えて住宅ローンを組むこともお忘れなく。
私が住んでいる団地では、「外構を後回しにして建てた家は20年以上経ってもそのまま。」といったお宅が何件もあります。住宅ローンの返済と日常の暮らしの中で、外構を整備するお金を作り出すのは大変なのです。
◆まとめ:「家を建てる・買う」にこだわる時代?
所得の上昇より物価の上昇の方が早い最近では、住宅の持ち方やライフスタイルにも変化が必要な気がします。
ただ、「家を建てる・家を買う」といった【住宅所有】や【定住する】といった概念に囚われるのではなく、新しい価値観に基づいて【住替える】【家を借りる】というようなライフスタイルが住宅に求められてくるのではないでしょうか?
決して【住宅所有】にこだわることを否定はしませんが、そこには違う人生設計ができるような気がします。