やっぱり、地震に強い家に住もう、耐震等級の違いについて。
GWの真っ最中に発生した能登半島での地震。
久しぶりに北陸の広い範囲で大きな地震が発生して驚かれた方が多かったのではないでしょうか?
「北陸は地震が少ないから安心。」とか「住宅の耐震性は基準をクリアしていればOK。」というセールストークをする住宅会社もあるようですが、やはり住宅は地震に強い家であることが大事だということを改めて認識することになりました。
さて、皆さんは国が定めた国の耐震基準をご存じでしょうか?
今回は、耐震等級についてお話させていただきます。
1,耐震等級ができた経緯
かつての日本では、住宅の耐震性能を表示する共通ルールがありませんでした。
1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災での多くの家屋の倒壊被災を機に、1999年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」を定め、住宅性能を一般消費者にもわかりやすく表示するという「住宅性能表示制度」をはじめました。
住宅性能表示制度では、住宅の耐震性能を3段階の「耐震等級」によって表示します。
耐震等級の数字が大きいほど耐震性能が高いことを表しています。
2,耐震等級ごとの耐震性能の目安
①耐震等級1
耐震等級1は「きわめてまれに発生する大地震(数百年に1度)による力に対して倒壊、崩壊しない程度」と定義されます。
これは建築基準法がすべての建物に求める耐震基準ですので、建築基準法に則って建てられた建物であれば、最低限で耐震等級1であるということができます。
「大地震でも倒壊しないのなら耐震等級1で十分なのでは?」と思われるかもしれません。
確かに耐震等級1は、人命を脅かすような倒壊、崩壊を起こさない基準ではありますが、住宅の損傷はまぬがれることはできないでしょう。
大地震後にそのまま住み続けることは難しく、建て替えや住み替えが必要な損傷を受ける可能性が高いです。
②耐震等級2
耐震等級2は「耐震等級1で想定される地震の1.25倍の力に対して倒壊、崩壊しない程度」と定義されます。
阪神淡路大震災級の地震が起こっても、補修すれば住み続けられるレベル。
具体的には学校や病院などの公共施設と同じくらいの耐震性能があるとされています。
というのも学校や病院といった災害時の避難場所に指定されるには、耐震等級2以上が条件となっているのです。
また多くの特典が得られる「長期優良住宅」に選ばれるためにも、耐震等級2は必須の条件となります。
③耐震等級3
耐震等級3は「耐震等級1で想定される地震の1.5倍の力に対して倒壊、崩壊しない程度」と定義されます。
阪神淡路大震災級の地震が起こっても、軽微な補修程度で住み続けられるレベル。
具体的には消防署や警察署と同じくらいの耐震性能とされています。
消防署や警察署のような災害時に復興や救護活動の拠点となる施設には、耐震等級3が求められています。
耐震等級3を取得するためには、構造計算において厳しいチェックが行われるため、大地震に対して十分耐えうる耐震等級であるといえます。
震災後にも避難所での生活ではなく自宅で住み続けることも可能になるので地震によるストレスなども小さくなります。
3,オスカーが考えること
オスカーの住宅は、規格住宅、オーダープランいずれも最高等級の耐震等級3が標準になります。必ず構造プランチェックを行い、全棟精算な構造計算をすることで、強い地震に耐える住宅を設計し、末長い安全と安心が備わります。
国が設ける耐震基準の「耐震等級1をクリアしている住宅」では、大きな地震が発生した際に生命は守られても住めない状態の住宅が残ってしまうことになります。建て替えとなった場合にはローンの残債と新しい住宅のローンという2重のローン支払いとなってしまいます。
オスカーでは、大災害である地震に建物が耐えたという事ではなく、災害後もほとんど問題なく直ぐに日常の生活に戻れることが、住宅に求められる「耐震性能」であるという信念のもとに標準仕様としています。
※なおオスカーの住宅は、2015年までは災害の際の避難所に使用される建物の基準「耐震性能2」が標準でした。