地球温暖化のいま。「低炭素社会」「脱炭素社会」「カーボンニュートラル」正しく知ろう
「脱炭素社会」「低炭素社会」「カーボンニュートラル」、地球温暖化に対するさまざまな取り組み。今回は、それぞれの違いと特色についてお伝えします。
目次
低炭素社会とは
低炭素社会とは、「二酸化炭素(以下CO2)排出量を削減する」ことを実現する社会です。
1997年の「京都議定書」が採択された頃に目指されました。低炭素社会という言葉が出てきたのは、2008年の「低炭素社会づくり行動計画」。「京都議定書」にはなかった具体的なルールが盛り込まれていました。具体的には、会議に参加したすべての先進国が温室効果ガス排出量を、2012年までに約5%削減することを義務付けました。
脱炭素社会とは
脱炭素社会とは、「CO2排出量をゼロにする」ことを実現する社会です。
2015年の「パリ協定」で、これまでの低炭素社会では、世界平均気温の上昇を1.5度から2度に抑えることが難しいため、脱炭素社会を目指すようになりました。「京都議定書」は先進国が対象でしたが、「パリ協定」は先進国・途上国両方に削減を求めました。ただ、後者が「義務化」ではないので、不完全との声も上がっています。
2022年現在、私たちが目指すのは「脱炭素社会」であることを頭に入れておきましょう。
カーボンニュートラルとは
カーボンニュートラルとは、「CO2の排出量が実質ゼロの状態」であることです。ゼロカーボンも同じ意味です。
CO2は人間や動物が呼吸したときや、炭素を含む化石燃料が燃焼したときに、排出されます。一方植物はCO2を吸収し、酸素を作りだす光合成を行っています。どんなに努力しても、CO2の排出をゼロにするのは難しいので、植物に吸収してもらうために、カーボンニュートラルの取り組みとして、森林保全や植林活動を行っているのです。
私たちが、すぐ取り組めることは
これまでは規模の大きな話でしたが、私たちがすぐに取り組めることはあります。下に挙げたのは、どれもすぐに取り掛かることができるものです。
冷房の温度は外気温31度のときは、28度を目安にする。
外気温31度はこの限りではありません。熱中症になっては、本末転倒。これで年間CO2が14.8㎏減少。年間の節約額約800円
炊飯器は長時間(7時間以上)保温をせず、使わないときはプラグを抜く
年間CO2が22.4㎏減少。年間の節約額約1,210円
冷蔵庫には物を詰め込まない(半分くらいの容量に)
年間CO2が21.4㎏減少(対して、冷凍庫の場合は物を詰め込んだ方が、お互い冷やし合い効果的)。年間の節約額約1,160円
お風呂は間隔を開けずに(追い炊きをせず)、家族続けて入る
年間CO2が82.9㎏減少。年間の節約額約4,980円
電気便座は使わないときは、フタを締める
年間CO2が17.1㎏減少。年間の節約額約920円
これらの取り組みを行った場合、年間CO2は158・6㎏減少。杉の木約11本が1年間に吸収するCO2に相当します(杉の木が1本あたりCO2を年間約14㎏吸収するとして)。
地球温暖化は、世界規模で取り組むべき問題となりました。一つひとつの取り組みは小さくても、コツコツ続けていけば、持続可能な社会になるのではないでしょうか。