家屋の「点検商法」にはご注意を
自宅を訪れ、不要な工事や点検を契約させる「点検商法」。高齢者を中心に、最近被害が増えています。
無料点検を名目に、工事を持ちかける方法
床下や家屋、白アリの発生など家屋に関わる無料点検名目で、個人宅を訪問(もちろんアポなし)。そして、「土台の木がボロボロ」「白アリが発生している」など不安をあおり、不要または不当に高額な工事を契約させる手法は、点検商法と呼ばれます。もちろん、悪徳商法の1つです。
コロナ禍で増えている、点検商法の被害
点検商法の被害は以前からありましたが、コロナ禍で在宅時間が増えているからか2020年からは増えています。国民生活センターに登録された相談件数は次のようになっています。
2018年 | 5,684件 |
2019年 | 5,759件 |
2020年 | 7,009件 |
2021年(6月30日まで調べ) | 1,424件 |
また、70歳以上の高齢者も被害も多いです。周囲に相談相手がいない高齢者が狙われやすいのでは、と考えられます。
過去には、2011年の東日本大震災の際も、屋根の補修などを持ちかけて契約させて、不当な代金を請求される被害もありました。悲しいことですが、人の不安につけ入る人間は、いつでもいます。
点検商法から身を守るには
点検商法から身を守るにはどうしたらいいでしょうか。
- 契約前に口頭で工事実績を質問する。
- 勧誘の文言などをメモする(抑止力にもなる)。
- 契約を急かしているときは、疑う。
- 知り合いや家族に相談して、1人で決めない。
もし、契約を結んだ後でも、訪問販売の場合は契約や申し込みの書類を受け取ってから8日間以内なら無条件で契約解除(クーリングオフ)できます。
代金支払い後も、期間内は特定商取引法で返金が義務付けられ、業者側が違約金を受け取ることはできません。契約書類にクーリングオフの記載がないなど不備がある場合、8日間を過ぎても契約解除は可能です。
とにかく不審な点があれば、消費生活センターに相談してください
点検商法だったのかも?!筆者のヒヤッとした体験
最後に筆者の体験を紹介します。
中古戸建を購入したわが家。古いので、いろいろ問題は出てきます。何かあったときは、近所の特定のリフォーム会社に修繕をお願いしています。
あるとき、インターフォンが鳴り、訪問者が。「屋上のアンテナが壊れているから修理した方がいい」とのこと。近所で工事をしていて、上から見て気づいたので教えにきたらしいです。しかし、その男性の身なりは工事をするような服装ではないし、近所で工事をしている話も聞きません。何より、我が家のテレビは問題なく映っている。
これは怪しいと思い、「お世話になっている、リフォーム会社に相談してみます」と言い切り、退出してもらいました。
すぐに、リフォーム会社に相談に行くと、近所に同様のことを言われて、不安になって相談に来た人が何人かいたとのこと。
その後、我が家にリフォーム会社の方が来られ確認してもらったところ、異常なしでした。実害はなかったけれど、後味の悪いできごとでした。急な訪問で修理を勧めてくるような人には、注意してください。