暮らしの中に炭を活用しよう
天然素材の炭は、バーベキューなど料理に活用するのもいいですが、それ以外にも使える用途はたくさん。今回は暮らしの中で炭を活用する方法をお伝えします。
目次
炭の歴史
炭とは、木材を蒸し焼きにして作った黒色の燃料のこと。焼くときの温度や使用する木材の違いにより、種類が分かれます。
その歴史は古く、日本で最古のものは約30万年前に遺跡として発掘されています。日本に正式に伝わったのは平安時代で、その後日本の生活に大きな影響を与えました。
炭の種類
大きく分けて、木炭と竹炭の2つに分かれます。前述の1500年以上前から使われていたのは、木炭の方。竹炭の歴史は浅くここ20年ほどです。
木炭は焼き上げが難しくないですが、竹炭は空洞部分が多い竹を使用しているため厚みがなく、焼き上げることが難しいです。バーベキューなどの炭火として使われるのは木炭で、竹炭はあまり適していません。
ただ竹炭は表面積が木炭より広く吸着力が優れています。これが脱臭力につながります。また、ミネラル分(特に、珪酸やカリウム、カルシウム)も木炭より多いです。
木炭
木炭は、白炭と黒炭に分かれます。作り方は大体同じですが、炭焼きの温度と最後の火消しの方法が異なります。白炭は表面に灰がついて白っぽくなりますが、黒炭は真っ黒です。また白炭は硬くたたくと金属音がするのに対し、黒澄は鈍い音がします。有名な備長炭は、白炭です。品質の高さから「炭の王様」とも言われています。
炭の効果は長くて1か月。お湯で洗ったり(洗剤禁止!)、天日干しにすると再利用可能で、半年ほど使用できます。
以下で、炭を住まいの中で活用する方法をいくつかお伝えします。
炭を家で使う方法
炭の活用1 炭湯
効果
- 炭の持つ吸着力が塩素を取り除く。
- 炭から溶けたミネラル分がお湯を弱アルカリ性にして、お肌に優しい柔らかいお湯になる。
- 遠赤外線効果で、体の芯まで温める。
- 炭が湯垢や汚れを吸着し、お湯の持ちを良くし、掃除も楽に。
使い方
水で洗った備長炭などの白炭1~1.5㎏または竹炭300~500gをネットや布製の袋に入れ、浴槽の中へ。沸かすタイプでも給湯式でも最初から炭を入れる。
炭の活用2 消臭
効果
炭の吸着効果が、生活の中の不快な臭いを取り除く。
使い方
黒炭と白炭の2種類を用意して気になる場所へ(靴箱、トイレ、台所など)。黒炭は酸性、白炭(備長炭含む)はアルカリ性。臭い成分も酸性とアルカリ性があり、逆の性質を持つ炭を置かなければ効果は得られない。
炭の活用3 安眠
効果
炭の吸着・吸湿効果が、不快な汗や臭いを抑えて安眠の手助けをする。
使い方
- 一坪当たり4~5㎏置き炭をする。
- 床下に炭を敷く(断熱効果もある)
- ベッドの下に、炭や炭シートを敷く。
- 枕の中に、袋に入れた竹炭粒炭を入れる。
炭の活用4 洗濯
効果
- 炭の吸着効果と殺菌・消臭効果で、洗濯物の汚れを落とす。
- 洗剤不要で、お肌にも環境にも優しい。
使い方
- 古い靴下の中に備長炭7~8㎝のもの1本カマボコ板を入れ、口をゴム紐で結ぶ(カマボコ板は洗濯槽の中で、スムーズに動くため)
- 天然塩小さじ1~2杯と共に、洗濯物と一緒に入れる。(塩分濃度は0.01%以下で、洗濯機への影響はなし)
- 使用後は、洗濯物と一緒に干す。
注意
洗剤や柔軟剤とは併用しない。炭の持つ効果がなくなる。
「炭が良い」というのは、何となく知ってはいましたが改めて調べるとそのパワーに驚きです。住まいにも優しい天然素材。是非、取り入れてください。