災害時の食品備蓄を見直すのに読んでおきたい、農林水産省の家庭備蓄ガイド
日本列島を巻き込んだ2019年の台風19号。食べ物がなくなると心配し、あれこれ買い込んだ方も多いのでは。今回は、災害時の食品備蓄のポイントについて改めておさえておきましょう。
目を通しておきたい、農林水産省の家庭備蓄ガイド
東日本大震災以降、自宅に何らかの食料を備えている方は多いでしょう。でも、これで本当に良いのかな?と疑問になるもの。
農林水産省では、備蓄に適した食品の選び方、ローリングストック法などによる日ごとの活用方法、災害時に役立つ簡単レシピなどの実践的な内容を取りまとめた『災害時に備えた食品ストックガイド』を公開しています。印刷して小冊子として使うこともできますが、スマートフォン等から簡単にアクセスできる二次元バーコード付きの概要版もあります。
内容としては、簡単「ローリングストック」、備蓄食品の選び方、災害時の簡単レシピ、備蓄食品の収納テクニックなどが載っています。
※最低1週間分の食糧を確保しておきましょう。
要配慮者の備蓄食品は最低2週間分
前述の内容は、一般向けのもの。赤ちゃんや高齢者、持病がある人の場合は、最低2週間の備蓄が必要といわれています。避難所で配布されるものは、おにぎりや菓子パンなど炭水化物がメインで冷めて固いものが配られがち。実際、災害から逃れたものの避難所で必要な食事がとれずに、災害関連死として亡くなった方もおられます。
このような事態を防ぐために作られたのが、『要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド』要配慮者に向けて、家庭備蓄を行う際に必要な情報、災害時における食事の注意点などを取りまとめています。
内容としては、要配慮者の災害への備えの重要性、要配慮者のための食品備蓄のポイント、災害時の食生活の注意点、食べやすくする工夫など。
農林水産省 要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド(冊子タイプ)
避難生活 大切なのは「自助」の気持ち
度重なる災害を経て自治体は災害食の備蓄を強化していますが、公的支援(公助)には限りがあります。特に避難所での健康悪化は、自分で防ぐ覚悟で。
災害による直接死を防ぐ対策はわかりやすいもの。しかし、その後の生活もあります。災害関連死の対策を考えて「助かって良かった」と思えるように。食べることは生きること、といわれます。生き残った後の食生活も考えて、自分の身は自分で守ることを心掛けましょう。
参考資料
日本経済新聞夕刊「ライフサポート 赤ちゃんや高齢者、持病ある人、「災害食」2週間分の備えを」(2019年4月17日付)