自分の住む地域は大丈夫？北陸地方の台風19号の被害とこれまでの水害

2019年10月23日

著者：oscar

先週末にかけて関東・東北地方を横断した台風19号の被害が明らかになってきている今、あらためて自分が住む地域の安全性を確認したいと考えた方は多いのではないでしょうか。

今回の台風では、雨による堤防の決壊が原因となる被害が多くあり、北陸地方でも北陸新幹線の大規模な浸水被害をはじめ、被害が発生しています。地震被害が比較的少ない印象のある北陸地方ですが、今回のような台風、豪雨や河川氾らん等による水害、豪雪による雪害も過去にはあります。

北陸地方の台風19号の被害

現在、分かっているところでは、堤防の決壊は全国68河川の125か所に上っています。北陸地方では、新潟県の魚野川が南魚沼市姥島新田で1か所、矢代川が上越市西田中で1か所決壊したことが確認されています。

富山県の朝日町では観測史上最大の雨量を記録し、富山市や射水市で停電が発生し、避難勧告が出され避難所で過ごした方もいたかと思います。

北陸地方の主要地形

北陸地方の主要河川は阿賀野川、信濃川を除き急流河川です。急流河川は、「河床の勾配が急で、洪水時の流速が極めて速く，河岸を浸食する力の大きい河川」(出典:「河川用語解説集」円山川流域委員会庶務)で、決壊が起こった場合には住宅に壊滅的な被害をもたらします。

実際、これまでの台風や豪雨で北陸地方はたびたび被害が出ています。

年	水害名	死者・不明者	被害	被害額
1998	8.4水害 (新潟・下越集中豪雨災害)	1人	家屋全壊3 浸水：床上2,200, 床下2,500	421億円 (農林，土木)
2004	7.13新潟豪雨 (信濃川，阿賀野川流域)	16人	家屋全壊70,半壊5,354 浸水：床上2,149，床下6,208	569億円 (公共，土木)
	H16年福井豪雨 (足羽川)	5人	家屋全壊66,半壊135 浸水：床上4,052，床下9,674	600億円
	H16台風23号 (富山県内水氾濫)	0人	浸水：床上25,床下141	–
2008	H20浅野川水害 (石川県金沢市浅野川)	0人	家屋全壊2,半壊8，浸水：床上507，床下1,476	61億円(農林・土木施設等)
2011	H23新潟・福島豪雨（信濃川，阿賀野川流域）	6人	家屋全壊46,半壊442,浸水：床上1,519，床下6,904	1011億円 (公共，一般)
2018	H30年7月豪雨(富山県)	–	一部損壊1, 床下浸水3	–
	H30年7月豪雨(石川県)	–	床下浸水9	–
	H30年7月豪雨(福井県)	–	一部損壊4, 床上浸水3, 床下18	–
	台風21号(新潟県)	–	半壊1 ,一部損壊91	–
	台風21号(富山県)	–	半壊6, 一部損壊25	–
	台風21号(石川県)	–	一部損壊35, 床下1	–
	台風21号(福井県)	–	全壊2 ,一部損壊11	–

2004年の台風23号では多くの被害が出ており、平成30年7月豪雨においては神通川、庄川で台風23号に次ぐ、観測史上2番目に高い水位に達していることから、急流河川が多く存在する北陸地方では今回の台風19号は他人事ではありません。ハザードマップでも、北陸地方の洪水浸水想定区域は広範囲で確認できます。

神通川については、2023年までに川の右岸堤防を強化する「富山市街地重点防御築堤事業」を先日、国土交通省富山河川国道事務所が発表しています。

国土交通省・北陸地方整備局に所属する各地域の河川事業を行っている組織が、水位、雨量、ライブカメラなどの情報を掲載しているウェブサイトがあります。次回は、我が家でできる防災対策として、このような北陸地方の防災サイト、ハザードマップの活用、防災情報SNSなどを紹介します。