上棟式の意味と餅まき
こんにちは。オスカーホーム新川営業所の小川です。今回は、建築途中に行われる祭事「上棟式」について取り上げます。
建築前に土地と今後の工事の安全を祈願して行う「地鎮祭」についての「地鎮祭の当日には何が行われるの?儀式の式次第の内容と意味を知ろう」記事もありますので、よろしければお読みください。
上棟式とは
地鎮祭が土地の神様への祈願のお祭りであるのに対し、上棟式は、棟梁や大工さんたちへの感謝の気持ちを表す意味で執り行われます。「建前(タテマエ)」「建舞(タテマイ)」と呼ばれることもあるみたいです。文字通り、無事棟が上がったことに喜び、感謝するお祝いです。
上棟式と餅まき
お客様と「上棟式」についてお話しすることもしばしばありますが、とにかく地域性が色濃く出るようですね。
私は福岡県の宗像(むなかた)地方というところの出身ですが、上棟式のイメージは何と言っても「餅まき」。背後にある建物というよりむしろ餅しか見ておらず、「あれが上棟式だったのか~」とこの仕事を始めてようやく理解しました。
地域によって異なる儀式の仕方
私の地域では、棟上げが終わった家の2階から、大工さんが袋に入った大量の餅と5円玉を投げ、それを近所の子供がもみくちゃになりながらキャッチするという、子供にとっては大変胸熱なイベント、それが上棟式でした。もちろん怪我しないよう餅はつきたての柔らかいものを使います。「今日○○さん家餅まきするみたいだよ~!」と放課後聞いてみんなでわらわら集まっていた小学生の頃が懐かしいです。私の住む町では新築の家は必ずと言っていいほど、餅まき有りの上棟式を行っていました。
新川地区のお客様とお話ししていると、地域によって、餅まきをするエリアとしないエリアがあるようです。全国的にも○○県だからある/ないと決まっている訳ではないようです、さすがに都心の方ではやらないようですが…。
先日魚津市お住まいのご夫婦とお話をしており、
ご主人様&私「上棟式で餅まきしましたよね」
奥様「餅まきって何それ!?餅はどこから持ってくるの!?」
ご主人様&私「!?」
といった会話があり、富山県内でも餅まきをするエリアとしないエリアがあるのだと分かりました。
餅まきの意味
気になったのでこちらのサイトで調べてみました。上棟式での餅まきは、「散餅銭の儀」という災いを祓うための儀式であり、文字通り餅と銭を散らすという意味があるそうです。
古来より、家を建てることは大きな厄災を招くという考えがあり、その厄を避けるために餅や小銭をまいて他人に持って帰ってもらうという説があるんだそうです。
子供の頃の私はそんな意味があるとは思いもしませんでした…。
また、古い時代には、家を建てるということは、それぞれの地域の共同体による一種の共同作業でした。「家を建てる」=「富がある」ということの象徴で、その富を地域の共同体で分け与えることで、厄災を避けるために、神饌であり保存食でもある「餅」や富の分配の形としての「小銭」をまくことが、地域の共同体の中での生活を円滑におこなうための習慣だったという説もあります。
平安時代から鎌倉時代にかけて上棟式そのものの習慣が広まり、一般庶民も行うようになったのは江戸時代からだそうです。
意外と歴史は長かったんですね。
上棟式をしなくても
上棟式を執り行わないからといって業者さんや大工さんが仕事の手を抜くなんてことは絶対にありません。むしろ、最近は地鎮祭を行われる方はいらっしゃっても、上棟式を行われる方は滅多にいらっしゃいません。
たまにされるとすれば、棟上げの日にお赤飯や清酒を振る舞い、簡単にお祝いする、というくらいでしょうか。私自身は子供のころ楽しませてくれた餅まきを自分の時もしたいと思っていましたが、最近では滅多にしないということでしたので、我が家の上棟の日にはお祝いで美味しいお酒を飲もうかなと思っています。