災害時いつもの暮らしはどうなるの?~「東京くらし防災」から体調管理編
大きな災害が起きて、インフラ※が止まると、途端に不便で不衛生な環境になり、体調が悪くなることも。日頃から、体調管理をする習慣を付けて、いざというときも健康に過ごせるようにしましょう。
※インフラストラクチャーの略。産業や社会生活の基盤を意味する。具体的には、道路・上下水道・電力網・通信施設など。
睡眠時間は普段から十分確保
当然のことですが、健康に過ごすには普段から十分な睡眠を取ることが大切。睡眠不足は、体力や思考能力の低下につながります。これが災害時、とっさの判断や行動を取ることの妨げにもなります。
睡眠イコール防災と考えると、夜更かしは程々にしようと、思えませんか?
不調を和らげる方法を身につける
体調不良だけでなく、ストレスもたまる被災時。ストレッチやマッサージなど、体や心を落ち着かせる方法を知っておきましょう。熊本地震でも問題になった、エコノミークラス症候群も防げます。以下に、エコノミークラス症候群を予防する運動を記します。どれも、簡単で短時間でできるものばかりなので、普段の生活にも取り入れてください。
使い捨て衛生用品を活用
トイレ編でも書きましたが、被災時は、ストレスで生理不順になることもあります。少なくとも生理用品は、もう一周分あると安心です。
また、下着が思うように取り替えられないとき、ナプキンやおりもの専用シートで代用することもできます。紙製ショーツも最近はよく見かけます。災害時初めて着用となると不安になるので、何種類か試着して自分に合ったものを見つけておきましょう(エステやマッサージの際、着用する機会もありますね。このときにはき心地をチェック)。合わせて、デリケートゾーン専用ウェットシートや清浄綿も備えておけば、清潔を保つことができます。
処方薬は「情報」も備える
服用中の薬があれば、医師と相談の上、可能なら予備分も入手しておきましょう。
また、薬の名前と用法用量などを正確に把握しておくことも大切です。お薬手帳や処方シールなどを写メしたり、更に薬の検索や服用管理ができるアプリを活用する方法もあります。
感染症予防
水道が使えない環境下では、インフルエンザなどの感染症が蔓延することもあります。
感染症の予防は、石鹸と流水で手を洗うことですが、それができないのが災害時。アルコールタイプの手指消毒剤と、ウェットティッシュを常備する習慣をつけましょう。これらは携帯サイズもあるので、普段からカバンの中に入れておけば何かと便利です。
また、うがいで口内を清潔に保つことも大切。マウスウォッシュやうがい薬、歯みがきシートも用意しておきましょう。体調管理の意識の高さが、災害時を健康に過ごせるか大きく左右します。
参考資料
東京都総務局総合防災部防災管理課『東京くらし防災』(2018年)「体調管理でできる防災」より