親世代VS子世代の金利。自己資金が少ないとマイホームは難しい?!

こんにちは。射水営業所の武部です。住まいづくりを考えておられる20代から30代の皆様からたまにこんなお話をお聞きします。

「住まいづくりを親に相談したら、自己資金を増やして借り入れはなるべく減らしなさいと言われた」
「自己資金が少ないのにローンを組むのはダメ、と親に反対された」

いかがでしょうか。「それ合っているんじゃないの?」と疑問に感じられた方もいるかもしれません。どうしてこのような考えになるのか?それは昔の住宅ローン事情が分かればよく理解できます。

今はフラット35、昔は住宅金融公庫

わかりやすく、長期固定金利での比較をしてみます。

  • 現在:「フラット35S」を利用
  • 親世代:「住宅金融公庫」を利用

住宅金融公庫とは

住宅金融公庫とは、住宅建設や購入に必要な資金を個人に直接融資することなどを目的に、1950年(昭和25年)に設立された公的金融機関です。

当時、民間金融機関の住宅融資は変動型が主流でしたが、一般的に「公庫融資」と呼ばれていた住宅金融公庫の個人向け融資は長期固定型でした。また、民間金融機関のローンに比べて金利も低めで、個人の住宅購入の際に一般的に利用されていました。

住宅金融公庫は、2007年(平成19年)3月に廃止され、その業務を引き継いだのが独立行政法人「住宅金融支援機構」です。住宅金融支援機構は、民間金融機関との提携による「【フラット35】(証券化ローン)」を取り扱うほか、災害復興住宅融資など、政策的な融資業務も行っています。
出典:SUUMO「住宅金融公庫の意味・解説」

例えば、現在(平成30年)と30年前(平成元年)に3000万円を借り入れるときの金利は次のように違います。

  • 平成30年・・・金利1.37%(当初10年間は0.25%の金利優遇適用)
  • 平成元年・・・基準金利4.55%、11年目以降金利5.20%

金利推移表

旧公庫融資基準金利の推移(住宅金融支援機構)公開

30年間での金利の差はたったの3%?と感じる方も多いと思います。30年前は今よりも3%以上も金利が高かったことが分かります。たかだか3%・・・と思うかもしれませんが、実は大きな違いが生まれます

30歳の方が現在(平成30年)と30年前(平成元年)に3000万円を借り入れるときの毎月支払額

当初10年間 11年目以降 総返済額
平成30年 86,373円/月 89,955円/月 37,351,260円
平成元年 142,905円/月 155,253円/月 63,724,500円

※35年元利均等返済で計算

なんと!1か月で55,000円、総返済額で2600万円以上支払額が多かったのです!そのため、自己資金を貯めないと計画が出来ない時代でした。

例えば、30年前に親が30歳で家を建てて、その時に生まれた子供が30年後の現在30歳で家を建てる場合はこれだけの違いがあることになりますね。同じ30歳でも大きな違いですね。

これほど大きな金利負担をしながら、親世代の方々は子供たちのために住まいづくりをされてきたわけですね。金利負担が大変なことを肌身で感じているからこそのアドバイスだったのです!(ちなみに私も25年前、自宅をオスカーホームで建築した際に住宅金融公庫で融資を受けましたので、よく理解できます)

住まいづくりを検討しておられる方には、親御さんからのご意見があった場合は、

  1. 親御さんが心配される理由を理解されること
  2. そのうえで現在の金利状況もご説明されること
    をして、安心してもらうようにされてみてください。

皆様の住まいづくりのお役に立てれば幸いです。

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