同居でも別居でもない二世帯「近居」のススメ
二世帯住宅において、最近目にするのが「近居」。「同居」でも「別居」でもないこのスタイルについて、お伝えします。
「近居」とは
「近居」とは、文字通り親子二世帯が近所に住むこと。距離について明確な定義はありませんが、概ね30分以内で行き来できる距離に親世帯と子世帯がマンションや戸建てなどに住んでいるのが、一般的です。「スープの冷めない距離」だけではないのですね。
データで見る「近居」
内閣府の意識調査※の「理想の家族の住まい方」では、
- 「祖父母との近居」31.8%
- 「親と子ども世帯で、祖父母と離れて住む」21.7%
- 「祖父母と同居」20.6%
- 「夫婦のみ二人暮らし」18.6%と
上位を占めていることから、最近の主流になっていることが分かります。
※内閣府発行 家族と地域における子育てに関する意識調査報告書(平成26年3月)図表5 理想の家族の住まい方 8ページ
次に、「近居」や「同居」をしている方々を対象に、住まい方の感想などを調査した結果を記します。
現状の住まいが良いかどうかを「近居」「同居」の方それぞれにたずねたところ、「近居」84.0%、「同居」67.6%と、「近居」の方が満足度が高いという結果になりました。
そこで気になるのが、「近居」の方が「同居」しなかった理由ですが、このような結果になりました。
プライベートを保ちたい | 63.8% |
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ライフスタイルが違うから | 52.4% |
夫婦水入らずで過ごしたい | 17.9% |
嫁姑問題が気になるから | 15.0% |
料理の好みが違うから | 8.1% |
資産相続のことを考慮して | 2.4% |
その他 | 10.6% |
「家族の基準は夫婦」という、気持ちが読み取れますね。
「近居」をしている人の声
では、実際「近居」をしている方はどのような点が良かったと感じているのでしょうか?
程良い距離感
- お互い助け合いながら、過干渉しないちょうど良い距離を取れる。お互い自由に過ごせる。
- 対して、何か(病気や事故など)あったときにはすぐに駆け付けられ安心。親(祖父母)と孫の交流が図れる。
関係の修復
- 実家住まいで金銭・食事・選択など親に任せきりだった娘が、結婚して「近居」したことで、ケンカが絶えなかった親子関係が、良い関係を持てるようになった。
- 「同居」しているときは、思いやりが持てなかった。今は持てるようになった。
経済面
- 子どもの世話をしてもらえ、共働きができるようになり、経済的にも助かる。
- 親世代から、住宅取得金の協力が得やすい。
嫁姑問題
- 直接会う機会が減るので、揉めるきっかけが自然と減る。
このような良い点も挙げられる「近居」ですが、次回では実際にはどのようなスタイルがあるのか見ていきます。