日常生活の中で、高齢者を事故から守ろう
東京消防庁がHPで発表したデータによると、平成28(2016)年中、消防庁管内※1で日常生活での事故(交通事故を除く)で約13万2000人が救急搬送されており、半数以上が65歳以上の高齢者でした。
日常生活の中で、高齢者を事故から守るにはどうしたら良いでしょうか。
※1 東京都のうち、稲城市・島しょ地区を除く地域
圧倒的に多い「ころぶ」事故
どのような事故で救急搬送されているかというと、以下のようなデータがあります。
ころぶ | 81.1% |
---|---|
落ちる | 10.8% |
ものがつまる等 | 2.8% |
ぶつかる | 2.1% |
おぼれる | 1.0% |
切る・刺さる | 0.9% |
はさまれる | 0.5% |
かまれる・さされる | 0.4% |
やけど | 0.4% |
「ころぶ」は8割と圧倒的に多いことがわかります。
「ころぶ」事故を防ぐには
以下に「ころぶ」事故の予防策を記します。
- 段差をなくす。
- 段差(段の先端部)を分かりやすくする
- 足元を十分に明るくする(足元灯・照明器具の設置など)
- 滑り止めをつける(会談・廊下・玄関先など)
- 歩行を補助する(手すりなど)
- 継続できる、体力にあった運動をする(散歩など)
- ころぶ原因となるものは取り除く(整理・整頓)
高齢になるほど、「ころぶ」事故でケガをすることが多く、約4割が入院の必要がある中等症以上と診断されています。生命の危険はないのですが、これを機に寝たきりになる可能性もないとはいえません。
事故の発生場所は、「住居等居住場所」が最も多く、5割以上を占めます。発生場所は、「居室・寝室」が最も多く、次に「玄関・勝手口」「廊下・縁側」となっています。
自宅内を安全に保つことが、事故を減らす第一歩といえます。
「ものがつまる等」の事故を防ぐには
「ころぶ」に続くのが、「落ちる」「ものがつまる等」「ぶつかる」ですが、「落ちる」「ぶつかる」は「ころぶ」事故予防策と似通っているので割愛し、「ものがつまる等」の予防策を記します。
- 小さく切ってよく噛む。
- お茶など水分を取りながら食事をする。
「おぼれる」事故を防ぐには
最後に、「おぼれる」事故の予防策を記します。
- 入浴中は思いのほか身体に負担をかけることを知る。
- 長湯・高温浴は避ける。
- 飲酒後の入浴は止める。
- 入浴時は家族に知らせ、家族はこまめに声をかける。
加齢に伴い、様々な身体機能が変化します(心肺機能の低下、筋力の低下、視覚・聴覚の低下、嚥下※2機能の低下など)。身体機能の変化について知ることが大切です。※2(えんげ)食物を飲み下すこと。
日常生活の思わぬケガが生活に影響を与えることもあり、本人だけでなく家族や地域で事故防止対策を実施しましょう。