話題のヒアリ。もし刺されたらどう対処?ハチ刺傷経験があると危険な場合も
今話題のヒアリ。ヒアリの毒には、アルカロイド毒(ソレノプシン)の他、ハチ毒にも含まれるホスホリパーゼやヒアルロニダーゼなどが含まれています。そのため、
「過去にヒアリに刺された経験がなくても、ヒアリ毒はハチ毒と交叉反応性(※特定のアレルゲン以外のものにも反応して、アレルギーを起こすことをいいます。)があるため、ハチ刺傷を受けたことがある人や、ハチ毒アレルギーを持つ人がヒアリに刺されるとアナフィラキシー(アレルギー反応によって急速に、皮膚、呼吸器、消化器など複数の臓器に全身性の症状が出る状態を指します。)を生じる可能性があります」
と兵庫医科大学皮膚科准教授の夏秋優氏は日経Goodayの記事で説明しています。
ハチ毒へのIgE抗体(免疫に関わっているタンパク質の一つで健康体の人には少量しか検出されない抗体のこと)の有無などにより、刺された後に生じる症状の程度は大きく異なります。
ヒアリに刺された場合の症状
軽度の場合:
軽度であれば、刺された瞬間に強い熱さを感じ、やがて刺された痕がかゆくなり、半日~1日ほどたつと小さな腫れものができます。
中程度の場合:
刺されて数分から数十分後に刺された部分を中心に腫れが広がり、部分的、または全身にかゆみを伴う発疹(じんましん)が現れます。
重度の場合:
重度の症状を起こすケースではアナフィラキシーを起こし、刺されてから数分から数十分後に息苦しさ、声がれ、激しい動悸やめまいなどを生じます。ヒアリが持つアルカロイドは致死性を伴うものではありません。しかし、タンパク毒との交叉反応によりアナフィラキシーを起こした場合は処置が遅れると致命的になる可能性があります。
ヒアリに刺された時の対処法
対処法はハチ刺傷と同じです。刺された直後20~30分程度は安静にし、体調の変化がないかを確認します。軽症であれば、抗ヒスタミン軟膏を塗り、水で患部を冷やし、全身症状が見られれば医療機関を受診します。
過度に心配する必要はないですが、見つけたら環境省の地方環境事務所に連絡して、触ったり、つぶしたりしないようにしましょう。