そろそろ火災警報器の交換時期です。10年経ったら交換を
2006年改正消防法により全ての新築住宅への設置が、2011年には全市町村での設置が義務付けられた、火災警報器。それから10年以上が経ち、部品の劣化や電池切れなどで交換時期に差し掛かっています。その際に必要なことや注意点を、お伝えします。
火災警報器の必要性
火災による被害の具体例を、消防庁の「住宅火災における死者数の推移」平成17~26(2005~2014)年から、見てみましょう。
住宅火災における死者数(人) | 65歳以上の高齢者の割合(%) | |
平成17年 | 1,220 | 56.6 |
平成18年 | 1,187 | 58.0 |
平成19年 | 1,148 | 59.6 |
平成20年 | 1,123 | 63.2 |
平成21年 | 1,023 | 61.4 |
平成22年 | 1,022 | 62.7 |
平成23年 | 1,070 | 66.4 |
平成24年 | 1,016 | 66.6 |
平成25年 | 997 | 70.5 |
平成26年 | 1,006 | 69.5 |
毎年約1000人が亡くなっていますが、死亡者数(放火自殺者などは除く)は減少傾向です。これは、火災警報器の設置が義務付けられたことも、関係ありそうです。残念ながら、65歳以上の高齢者の割合は増加しています。しかし、死亡原因の約6割が逃げ遅れで、就寝時間帯の被害が多いことから、火災警報器があれば、火災の早期発見と消火、避難を助けるのに有効と考えられます。
参考資料:消防庁 『住宅防火・防災キャンペーン』リーフレット
火災警報器の交換について
1.作動確認
ボタンを押す、またはヒモを引いて音を確認します。正常な場合は、「ピピピー」「ピピピー火事です」などと、警報音やメッセージが鳴ります。鳴らない場合は、電池切れか機器本体の故障です。定期的に家族で警報音を確認するようにすると良いですね。
2.設置時期を調べる
設置時に記入した「設置年月日」または、本体に記載されている「製造年」を確認します。異常が起きてからでは遅いので、正常音であっても、10年経ったら交換した方が安全です。交換したら、設置年月を油性ペンで記入し、取扱説明書は大切に保管。
火災警報器の注意点
最近はオール電化または、喫煙者がいない家庭が増えています。しかし、漏電や放火が原因の火災もあるので、「我が家は大丈夫」と思わず設置しましょう。
また、消防職員を装って、高額な品物を押し売りする悪徳業者もいます。1個3000円前後が目安です。自宅だけでなく、離れて暮らす親や、近所の高齢者宅にも越えを掛け、家族ぐるみ地域ぐるみで注意を。不明な点は、メーカーの窓口や一般社団法人日本火災報知器工業会、地域の消防署にたずねてください。
住宅用火災警報器の全国の設置率は2016年6月時点で81.2パーセント。義務化とはいえ罰則がないため、約2割が未設置です。自身の住まいや家族を守るために、設置は不可欠です。
参考資料: