すぐに始めよう、災害への備え。避難所での健康管理編

災害が起こり実際に避難所などで生活すると、健康管理が必要になります。今回は、そのために必要なことをお伝えします

感染症から身を守る

2016年4月の熊本地震では、避難所でノロウイルスなどの感染症が広がりました。春になり、寒さに震えることがなかったのは幸いでしたが、それが裏目にも出ました。

そこで、感染症から身を守るために、気をつけてほしいことを記しました。

  • うがいと手洗いをする。基本中の基本です。その際、石けんで指先や爪の間も念入りに洗いましょう。
  • 手袋をする。感染者の血液や排泄物などに触れる可能性がある場合に、手を保護します。
  • マスクを着用する。他の人に感染させないために、セキやクシャミが出る場合は、必ず着けましょう。
  • 食事はすぐ食べる。食事はすぐ食べるのはもちろん、残した場合は保存せずに捨てましょう。

エコノミークラス症候群を防ごう

熊本地震では、エコノミークラス症候群の症状が現れた方々が多数おられました。

足を長時間動かさずにいると、血液の流れが悪くなり静脈の中に地の塊(血栓)ができることがあります。これが血液の流れによって移動し、肺の動脈を閉塞させる病気です。「深部静脈血栓症」「肺塞栓症」ともいいます。

予防法は、「水分の補給をする」「適度に足を動かす」と、いたってシンプルなものです。トイレが遠い・汚い・狭いなどを理由に、水分を控えがちになりますが、なるべく取りましょう。足を動かすことは、図1「エコノミークラス症候群を予防する運動」を参考にしてください。座っていてもできるので、1~2時間に1回は実践してください。ストレス解消にもなりますよ。

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図1 エコノミークラス症候群を予防する運動

エコノミー症候群の予防法を学びたい方へ

また、厚生労働省や日本循環器学会でも、予防法などについてお伝えしています。是非、参考にしてください

> 厚生労働省のHPはこちら
> 一般社団法人 日本循環器学会のHPはこちら

避難先で簡単にできる体操を紹介

避難所などで、場所を取らずに簡単にできる体操をいくつかお伝えします。

1.座ってワキ伸ばし 図2
2.立って、左右のワキ伸ばし 図3

ワキは日常生活であまり意識していない場所ですが、ここを伸ばすと腕の動きが良くなり、肩・腰・背中の凝りを和らげることができます。立って行うと足でしっかり踏ん張るため、下半身強化にもなります。

3.四股(しこ)立ち 図4

図4 四股立ち

図4 四股立ち

お相撲さんがよく行っているポーズです。足腰の強化、足の冷えやむくみの予防、下半身を柔軟にします。最初は無理に足を広げたり、腰を落としすぎないようにしましょう。

避難所での生活は、本当に大変だと思います。だからこそ、健康管理に気を付けて、元気な身体で元の生活に戻れる日を待ちたいものです。

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