オスカーホームの商品設計部が日々行う強度試験の様子をレポート
オスカーホームの商品設計部では、住宅の構造性能を向上するために常に新しい部材や構造を研究しております。
今回は、2×4構造の2階床部分の梁部分に使用されている「I型ジョイスト」と呼ばれる部材の強度試験を行いました。実験は4月7日、富山県射水市にある富山県木材研究所で行われました。
オスカーホームが定期的に試験を行う目的
試験は製造メーカーが常に必要な強度を持った製品を製作し納品しているかをチェックするために行っています。いわゆる「抜き取り試験」です。オスカーホームではこのような試験を定期的に行っており、今回も現在使用している部材について、研究所に装備されている試験機器を使って強度試験を実施しました。
強度試験の内容
試験の内容は、I型ジョイストの荷重と試験体の変形量の関係を、中央部付近に一定速度で荷重を掛けて確認する、というものです。
今回の抜き取り強度試験においては、基準を超える強度があることが確認できました。これで現場でも安心して部材を使い続けることができます。
※これから試験体に荷重を掛けていく様子です。
試験対象となった「I型ジョイスト」について
「I型ジョイスト」とは、断面がI型になるように木製の部品を接着組立てた部材です。試験では、I型ジョイストの梁の長さを3.45Mとして計測しています。
「I型ジョイスト」の形状は、断面の効率が高く、重量当たりの曲げ強度に優れていることから、2階床部分の部材として使われています。
以前は、2×10サイズの木材を使用していた頃もありますが、北米での木材の調達において、幅広の2×10材は精度と強度の安定した部材を揃えるのが難しい材木のため、エンジニアリングウッドと呼ばれるこのような部材を使うことで、より強度で高精度の住宅を作ることができています。鉄骨でもH形鋼・I形鋼というものがありますが、同じように断面の効率が高い形状です。
最近の住宅部材では欠かせない部材「エンジニアリングウッド」について
木を原材料に工場で二次加工された木質部材のうち、特に強度特性が計算・評価・保証された木材製品をエンジニアリングウッド(EW)と呼んでいます。I型ジョイスト、構造用集成材、構造用LVL、構造用合板、OSBなどが代表例です。
エンジアリングウッドの主たる特長は、非常に安定性が高く、通常の製材 に比べて構造強度が非常に高いこと。つまり、鉄骨の代わりに木を使って柱や梁等の躯体部分を施工することが可能になります。
オスカーホームでは、このように製品の抜き取り検査を行ったり、新たに取り入れる部材や構造体の試験を行ったりすることで、常により優れた品質の部材を求めて、住宅性能の向上を目指しています。