庭にあると便利な、家で育てるキッチンハーブ
ハーブの利用法はクッキング用、ティー用、ポプリ用、染色用、美容用などバラエティに富んでいます。今日知られている数多くのハーブたちはもともと世界各地のさまざまな地域で、野生種の中から人々の生活に役立つものが永い時間をかけて選び出されたものです。
日本にもシソやミョウガなど、食用とされるハーブや、アイのように染め物に利用されるものなど、古くからたくさんの種類が活躍しています。
既存の庭にハーブをプラスすることでも十分に楽しめます。アプローチや縁取り、フェンス、日照不足の土地や湿りがちな土地、グランドカバーにも使えます。ベランダでもよく育ちますし、明るい室内でも育ちます。寄せ植えやハンギングバスケットにしても良いでしょう。
目次
キッチンガーデンで育てるハーブ
ハーブの利用法で一番先に思いつくのは食べることでしょう。キッチンの近くに、肉や魚と相性の良いハーブをメインにして栽培しておくと、毎日の食事やお茶の時間が豊かなものになります。今回はキッチンハーブとして重宝するものを紹介します。
ローズマリー
香味料として肉料理やスープ、シチューなどに使われます。香味が強いので、そのつもりで使いましょう。ポプリや浴湯料にもつかわれます。立性、ほふく性、中間タイプと3つの系統があります。この特性を生かして、ほふく性のものはカバープランツや鉢植にして、立性は広い場所にゆとりを持って植えると長期間楽しめます。
タイム
肉類、魚類の香味料として、新鮮葉、乾燥葉ともに使われます。料理に使う時には、そのつど小枝を切り取って使います。煮込みなどのときのブーケガルニとしても用いられ、肉類や乳製品などの加工食品には古くから使われています。
フルーツの香りのするオレンジバルサムタイムやレモンタイムなど、いろいろな種類があり、花の色もバラエティに富んでいます。敷石や岩組の間など、ちょっとした所に植えてもよく育ちます。
ミント類
スーットする香りでおなじみのミントは、お菓子、飲料、化粧など多くのものに利用されています。
日本には在来種のハッカがありますが、メントールの含有量が多いので、薬用としては優れていますが、料理やお茶には臭いが強すぎてあまり向きません。
ヨーロッパ産のペパーミントやスペアミントがメントールの含有量が少なくても利用の幅は広いです。よく育ち、地下茎がはびこるので、広がりすぎないように板やブロックで仕切りをした中に植え他方が良いです。
レモンバーム
レモンに似た良い香りがします。鎮静剤として古くから神経性の頭痛や消化不良などに用いられています。お茶や料理に使う他、くせのない香りが万人向きで人気があり、ポプリなどにもつかわれます。
フェンネル
香味料としては生葉も種も魚に合うハーブとして有名です。若い葉はサラダにも使えます。インド料理では食後にこの種が出ますが、口中をさわやかにしてくれます。ソース、カレー粉などの原料にもされています。
オレガノ
イタリア料理に合い、ピザの香味つけで有名です。サラダ、シチュー、スープ、肉料理の香味料として使われます。料理に使う時は生よりも乾燥した葉の方が良いようです。頭痛を鎮める効果があるといわれ、お茶代わりにも飲用されます。
春か秋に種をまいて育てられ、あまり栽培に手間がかかりません。
バジル
イタリア料理の印象が強いですが、熱帯アジアが原産です。中国、インド、ヨーロッパで古くから薬として珍重されてきました。新鮮葉も乾燥葉も料理には広く使われていますが、トマトに合うハーブとして定評があります。花を咲かせると香りが弱くなります。
チャービル
新鮮葉はやわらかく、生で食べられます。風味がとても良いので、ソースや料理の風味料に使います。フランス料理によく使われています。料理の仕上に薬味として使います。
ナスターチウム
つぼみや花、葉、未熟の果実はサラダにしたり、ピクルスにしてそのまま食べたり、スパイス的にソースや料理の香り付けにします。つる性の植物なので、支柱を立てて育てたり、ハンギングにしても楽しめます。
最近は花屋さんやホームセンターでハーブ苗がポット鉢で売られています。種からも簡単に育てられるものが多いので、収穫までの成長を楽しみながら育ててみてはいかがでしょうか。