家づくり初心者が知っておきたい窓について考える時のポイント
普段の生活を振り返り、どの部屋にどのくらいの明るさが必用か、どんな風に過ごしたいかイメージをふくらませてみましょう。
なるべく小さな窓で、囲われた安心感のある部屋にしたいのか、空や緑の眺められる見晴らしの良い部屋にしたいのかで窓の選び方は大きく変わるため、家づくりの早い段階で検討したい項目の1つです。
キッチンやユーティリティ、洗面所など北側に配置されがちな空間も、トップライト(天窓)やハイサイドライト(高窓)をつかって自然光をうまく取り入れれば、明るい環境で作業できます。
目次
意外?!窓を考えるには家の外の環境がポイントに
また、間取りの延長で家の中の事に考えがいきがちですが、実は外部の環境をどう読み取るかが大切なポイントです。前面道路や周りの建物の状況から、影になる部分やオープンになる部分を読み取り、どの位置と高さに設けるかを考えます。透明ガラスにするか、すりガラスにするかも外部との関係で選択します。
また、窓は外観を考える時の要素としてとても重要です。防犯性やプライバシーを確保しながらも、周囲の環境をうまく取り込んで広がりのある計画になるようじっくり考えましょう。
窓の役割「採光」と「通風」
窓には採光と通風という2つの大きな目的があります。居室(リビングやダイニング、寝室や個室)には建築基準法で採光のために窓の面積は部屋面積の1/7以上、換気のためには部屋面積の1/20以上が必要と定められています。そのため、間取りを考えるとだいたい窓の面積や位置が決まってきます。それに併せて、部屋と部屋を抜けて風が流れるように、家全体で窓の位置をみていきます。
少し変わった窓のつくり方ですが、室内の部屋と部屋の壁につけるという方法もあります。家族のコミュニケーションの機会もアップしますし、吹抜けや階段の壁に個室とつなぐ窓を付けると家全体に光と風の通り道ができます。ゆるやかに家全体が一体空間になる事で、冬場のヒートショック(温かい部屋と寒い部屋の温度差による体への影響)も抑える事ができます。
注意しなければいけないのは、窓すなわち開口にすると、その分壁の強度が落ちるという事で、家の構造的な観点から窓の位置をもう一度チェックする必要があります。
主な窓の種類
窓の開け方にも数種類あり、それにより換気の効率が大きく変わります。大まかに6つの種類があります。
サッシメーカーでは断熱性能に応じてさまざまなラインナップがあり、規格・サイズも決まっていますが、最低限押さえておきたい窓の種類と特徴は以下のとおりです。
1. 引き違い窓
住宅では最も一般的に使われており、コストパフォーマンスも良い。気密性と雨仕舞に難点あり。よく雨戸やシャッターと一緒に用いられます。
2. 開き窓
内開き窓、外開き窓があり、風により窓が動いたり、外開きの場合は全開になると締めるのが難しくなるため、窓止め金具や任意の開度で止められるアジャスターがついています。外開き窓は雨仕舞が良く、逆に内開き窓は雨仕舞がとても悪いので日本の住宅ではあまり用いられません。どちらも気密性を高くできます。
3. 上げ下げ窓
上下が連動して開閉するタイプと、個別に開閉するタイプがあります。開放面積が調節できるので、温度差換気ができ、単体での換気効率には有利です。
4. すべり出し窓
外開き窓を改良したもので、戸の上端を回転軸とし、開閉すると回転体が上下します。外開き窓より開閉しやすいのと、それ自体が庇のような役割を持つため、便利です。開放の位置も任意に止める事ができます。
5. 回転窓
窓枠中央の回転軸を中心に回転します。高窓の開閉に適していますが、気密をよくするのが構造上難しいです。
6. はめ殺し窓
開放できない窓で、採光のためだけに用いられます。自然換気の必用のない場合などに用いられます。
その他、ガラスの種類にも、単板ガラスと複層ガラス、Low-eガラスとあります。もちろん性能があがるにつれて値段は高くなりますが、断熱効果や遮光効果をアップさせると、年間の光熱費を抑える事ができるのでうまく取り入れたいものです。