家づくりの代表的な工法と特徴
目次
工法とは
家を作る方法のことを指します。
工法によって性能に差は出てきますが、素材や部材などによってはカバーすることができる点もあるため、現在は工法による差はあまり大きくありません。ただ、資源がそもそも持つ特徴や工法が得意とする点などがあるため、住む地域や家へのこだわりに応じて決めたほうが良いでしょう。
ハウスメーカーに依頼する場合に覚えておきたい、各社が目指す方向性と専門性
ハウスメーカーに依頼する場合、特定の工法のみを取り扱っていることが一般的です。また工法をさらに研究し、耐震性や耐久性などをさらに補強した独自の工法を利用している場合もあります。
各社の強みはこうしたところに表れますので、各メーカーがどのような点に注力しているのか、どういった家づくりを目指しているのかを感じとってみましょう。
家づくりの代表的な工法と特徴
世界的にも珍しく、日本には様々な工法があります。
以下の代表的な工法以外にも、各工法から派生したものもありますが、一般的に主な工法とされるものを並べてみました。
在来工法(在来軸組構法)
一戸建てで最も多く、古くから存在する工法です。日本の家の約X割がこの工法で建てられているとされています。
在来軸組構法は、建物の骨組みを土台・柱・梁でつくり、筋かい(柱と柱の間に入れる補強用の斜めの部材)と耐力壁をバランスよく配置することによって耐久性、耐震性を強くします。
特徴:
- 間取りの自由度が比較的高く、また増改築も容易に対応できます。
- 以前は職人や施工主の技量に左右されることが多かったが、最近は工場での木材加工(プレカット)が主流となり品質も安定しています。
ツーバイフォー(2×4)工法
北米の住宅の9割以上で使われている工法です。
2×4インチまたは2×6インチなどの木材を中心にフレームをつくり、そこに構造用合板を釘打ちして耐震性を確保します。
自分で家を建てたり、リフォームしたりする北米のスタイルから生まれた工法で、いつでもどこでも安く材料を調達できるよう、木材は2インチを基本としています。また、非常に合理的に作られているため、施工者の技量に左右されにくく、品質・性能が安定しています。
特徴:
- 優れた耐久性があり、火災に強い住宅です。
- 材料のサイズが規格統一されていることや、床・壁・天井が最初から面として作られる等、建築工程の効率が図られているため、他の工法に比べて工期が短くすみます。
2×4工法が基盤のオスカーホームのスペースフレーム工法
鉄筋コンクリート造(RC造)
RC造は、鉄筋を使った枠組みにコンクリートを流し入れて構造を作ります。ほとんどの作業が現場で行われるため、天候やコンクリートの品質管理が非常に重要となります。
コンクリートのため、非常に頑強な建物になりますが、コンクリートを乾燥させるため工期が長めで、また価格が高くなりがちです。
特徴:
- 強度が高く、耐久性の他に耐火性にも優れています。
- 設計の自由度が高いため、建築家などが好んで利用される工法でもあります。
鉄骨造
重量または軽量の鉄骨で構造を作ります。使用する鋼材の厚さや形によって、「重量鉄骨造」または「軽量鉄骨造」工法のいずれかに分類されます。
柱と柱の間隔を大きくとることができるため、木造に比べて開放的な空間をつくることが可能です。集合住宅、ビルや中・高層の建物に多くみられる工法です。
特徴:
- 使用される部材は工場で生産されているため、品質が安定しています
- 防錆対策が重要
工法別特徴の比較
工法 | 耐久性 | 耐震性 | 耐火性 | 増改築の容易さ | 費用 | 工期 |
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在来工法 | △ | △ | △ | 〇 | 〇 | 4~5ヶ月 |
2×4工法 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 2~4ヶ月 |
RC造 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | 5~6ヶ月 |
鉄骨造 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | 4~5ヶ月 |