家の建替えで押さえておきたい、解体工事の基本ポイント
家を建てるときは、土地に何もない「更地(さらち)」の状態から工事が始まります。
新築の家を建てる場合、何もない状態に既になっていることがほとんどですが、家の建替えを行う場合は事情が少し異なります。
今回、建替えを検討している方は、まず知っておきたい建替え工事でのポイントを紹介します。
建替え工事現場での大まかな流れ
ざっくりになりますが、以下が主な流れになります。
- 古い家を壊す解体工事
- 更地へ(家が建てられる状態にします)
- 地鎮祭(詳しくはこちらから)
- 地盤調査※
- 建設開始へ
※地盤調査は、一般的には解体業者ではなく、家を建てるハウスメーカー等が行う場合がほとんどです。
画像:地盤調査の様子
「新築」と「建替え」で異なるポイント
基礎工事以降の工程は通常の新築の家の場合と同じになりますが、建替えの場合、一度住んでいる家が無くなることから、
- 仮住まいを探したり
- 新しい家でも引き継ぎたいものを予め解体作業を行う「解体業者」と家を建てる「ハウスメーカー」等の建て主との連携をうまくコミュニケーションする必要がある等
気をつけるべきポイントがいくつかあります。
解体工事をするときに、これだけは押さえておきたい基本5点
1. 解体工事と新しい家の業者が違う場合は、入念なコミュニケーションを
まず、解体工事と新しい家を施行する業者が異なる場合、互いの作業工程について双方に伝えておくことが大事です。
工事中にトラブルがあることもありますので、そうした場合による遅れについても、調整するのは家主の役割になります。
2. 解体工事は、壊し方で予算・時間が大きく異なります。
解体の方法は「手壊し」か「機械壊し」のいずれかです。
以前は、重機のみで全て壊していた時代もありましたが、現在は建設リサイクル法によって禁止されており、ほとんどの解体作業では手壊しと機械壊しの両方の手法を使っています。
当然、手壊しは手作業のため時間がかかり、コストも高くなります。通常、壁や天井を剥がす作業などが手壊しによって行われます。また、敷地が狭く重機が入れなかったり、近隣住宅に家が近すぎる場合などには、まず手壊しを行い、その後機械を導入する方法など、その家の構造や環境によって異なります。
一定の床面積や工事規模に対して義務づけられている「建設リサイクル法」
廃棄物処理をめぐる問題が増えていることから、政府は一定の規模(面積・費用)以上の解体工事に対して、建設リサイクル法を定め、分別解体と再資源化の義務づけを行っています。詳しくは環境省のページをご覧ください。
3. 残したい家具や樹木などは、早めに伝えておこう
例えば、庭や樹木など残したいものは早めに解体業者と施行主へ伝えておきましょう。それによって作業の工程が変わる可能性もあります。
4. 建物滅失登記の登録を忘れずに
「建物滅失登記」とは、登記してある建物を取り壊した場合に行う手続きです。取り壊しから1ヶ月以内に申請する必要があります。
建物滅失登記の基本情報:
- 建物の名義人や、その相続人が、建物の所在地域を管轄する法務局へ申請します。
- 法務省のこちらのページに様式が掲載されています。不明な点がある場合は、解体を行う業者に相談してみてください。
5. 工事前のご近所へのご挨拶も欠かさずに
既に住んでいた家なので、周りに住む方もある程度、顔見知りで中にはご近所付き合いに何ら問題ない!という方もいるかもしれませんが、工事にはどうしても騒音・建築材の匂い・ホコリなどが付きまといます。
どんなに近所付き合いが良くても、ご挨拶は忘れずに行いましょう。
解体工事・新築工事前には各担当者がご近所への挨拶周りも行いますが、その前に家主から一言伝えておくことで、業者側も気持ちよく仕事ができるはずです。