新築・家づくりで省エネが重要視されている背景と、長期優良住宅について
目次
最近の新築・家づくりで「省エネ」が重要視されている背景
近年、日本では家づくり「新築・リフォーム」をする際に、一定の省エネ基準を満たされていれば、それらを購入するときに補助金を国から出す制度が複数あります。
「エコポイント」が話題になったように、「省エネ」は家だけではなく、車や家電についても同じように、より環境に優しいモノを支援していこうという背景があります。
変わってきた家づくりの環境への負担
家づくりに関して言えば、人の手を使って家を作った昔に比べると、現在の家づくりには世界中から素材を収集するところから始まり、生活でも家電製品や冷暖房器具を使うなど環境負担は増えています。
また、家を解体する場合にも、現在の住宅にはプラスチックや化学物質の使われた素材を使用しているため、廃棄物処理にも負担がかかっています。
こうした背景から、近年の家づくりでは、より長く住めて、環境にも優しい生活を実現すべく、特に「省エネ」については、様々な特典が付いているのです。
環境負担が少ない家とは?
日本が今目指しているのは、「環境負担が少ない生活」ですが、家で言うと具体的には以下の点に集約されると思います。
- 次世代にも引き継がれる、長持ちな家
- 地域別の気候や風土に合った家づくり
- 自然の素材を利用する
これらのポイントの大部分を含むことを前提に、政府が2009年に施行したのが「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」です。
次世代の家を目指した「長期優良住宅」とは
国土交通省のウェブサイトでは、長期優良住宅を「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅である」と表現しています。
長期優良住宅として家が認定されるには、長く使えるために必要な「措置」が多くあります。
長期優良住宅に必要な条件:
- 耐震性:地震に強く、倒壊しにくい安心の家
- 耐久性能(劣化対策):構造や骨組みのしっかりした長く住める家
- 維持管理・更新の容易性:メンテナンスの容易な家
- 住戸面積:必要な広さが確保された、暮らしやすい家
- 省エネルギー性:地球にやさしく、家計にもやさしい家
- 居住環境:地域のまちなみと調和した家
- 維持保全(維持保全管理、住宅履歴情報の整備):「住まいの履歴書」付きの、長く快適に住み続けられる家
長期優良住宅について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
長期優良住宅の認定制度の概要について(PDF資料)
– オスカーホーム「長期優良住宅について」
さらに具体的には、長く使える良い住宅であるためには、
- 数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること(少なくとも100年程度)
- 大規模な地震のあとも継続して住める強い家であること
- 内装や設備は点検や掃除、修理などが容易にできること
- ライフスタイル(バリアフリー含む)の変化に合わせて、間取りの変更ができるようになっていること
などなどが必要ということですね。
長期優良住宅の基準の1つ「省エネルギー基準」とは
上記にあるように、多くの課題をクリアした家が「長期優良住宅」として認定されます。
その中の一つにある「省エネルギー性」については、政府が平成4年に制定した「住宅の省エネルギー基準」(平成11年に改正し、現在の名称は「次世代省エネルギー基準」)を元に判断しています。
次世代省エネ基準とは?
「住宅の省エネルギー基準」は、簡単に言うと住宅の省エネルギー性を示した指標です。各地域の気候に合わせ、全国を8つの地域に分けて、それぞれに対して求められる「省エネレベル」を数値でこのように示しています。
これをさらに改正した「次世代省エネ基準」では、より厳しいエネルギー基準(断熱性能、気密、換気等)となり、また区分け地域もさらに細かくなりました。
参照元:(財)建築環境・省エネルギー機構
省エネ基準はすべての新築の家に義務づけはされていませんが、税金、補助金など各優遇策を得るためには、この省エネ基準を満たすことが条件となっていることが多いのが現状です。
さまざまなメリットを受けれますので、家作りを考えている方は、ぜひ検討してみてください。