二世帯住宅を考えるときの基本。共有するスペースに合わせた家のスタイルと特長。
ふたつの家族がともに暮らす二世帯住宅。
決まった形はなく、家族構成によってスタイルはさまざまに選べるようになっています。
一緒に楽しくごはんを食べたり、家事を助け合ったり、みんなで子育てをしたり。メリットや心地よさを感じることができるのが二世帯住宅の魅力です。ですが、親世帯・子世帯には各家庭の生活リズムがあり、距離感によってはそれぞれが気を使ってしまい、ストレスへと繋がってしまうことも。
生活面からくるすれ違いで後悔しない家づくりのために、間取りのプランニングは家族の関係性に合わせたものをしっかりと相談しながら行いたいですね。
そこで今日は、二世帯住宅を考えていらっしゃる方に、以下の2記事に分けて紹介したいと思います。
- 二世帯住宅の基本。主なスタイル紹介
- 二世帯住宅を考えるときのポイント8点
これはいいなと思うものがあったらぜひ取り入れてみてくださいね!
目次
二世帯住宅の基本。各家族の生活に合わせて考えたい家のスタイル
二世帯住宅の場合、共有するスペースによって、さまざまなスタイルが考えられます。大まかに分けると、4つのスタイルがあります。
A. 左右で住まう・上下で住まう「独立型」
独立型の特長:
各家庭が独立したスタイルなので、プライバシーが保たれます。
世帯別に玄関や浴室、キッチンを設け、内部では廊下を通じ行き来可能に。同じ敷地の中ですぐそばにいる安心を感じながらも、それぞれの暮らし方を存分に堪能でき、集いたいときにはメインリビングやダイニング、デッキなど一ヶ所でごはんを食べたり遊んだりと交流できます。
B. 一部のエリアを共有する「部分共有型」
部分共有型の特長:
玄関や浴室、キッチンなど水まわりを部分的に選んで共有、もしくは分離する形。予算面からも多く取り入れられているスタイルです。
例えば、キッチンや浴室は一方をメインとし、もう一方をサブとしてミニキッチンやシャワールームにする案も。
子世帯が共働きの場合、共有リビングを設けておくことで、忙しいパパやママの不在時に、親夫婦が孫たちと一緒にゆっくり過ごせますね。
C. プライベートなエリアを除く他の部分を共有する「全部共有型」
全部共有型の特長:
寝室や子供部屋などそれぞれの個室以外の部分をほぼすべて共有する形。トイレやお風呂のみ別にするといった場合もあります。
建築の際の費用がA・Bに比べローコストになります(例:A>B>C)。
また、同じ空間で暮らすため、家事や育児において協力体制を取りやすくなり、助け合いながら暮らせます。将来的に介護が必要となった場合にも、家族がそばにいますのでより安心感があります。
収納はたっぷりと取り、世帯全部のものがあちこちに入ると整理が大変になるので、設計時にスペース配分を考えておくのがよいでしょう。
D. 土地を隣接しながら、個別に家を建てる「完全分離型」
完全分離型の特長:
すぐ隣に暮らす安心感や、夜の団らんや週末に集まれる気軽さのもと、プライバシーをしっかりと守りながら暮らせます。
2つの家が並んだ「隣家」となりますので、夜ごはんや休日など、みんなが集まれるスペースを作って交流しやすい環境にしたいですね。両家の間を中庭で繋ぐプランにすると、互いの家族がすぐそこで暮らす気配を感じながら、用事がある時や集まる際の行き来もしやすいのでおすすめです。
建物が分離しているので、どちらか片方が空き家になった場合には貸家にしたり売却を考えたりと、住宅の利用を考える際にフレキシブルになります。
二世帯住宅を計画するための第一歩!まずみんなで考えよう。
二世帯住宅を作るにあたって大事なのは、まずお互いの希望を明確にすることです。
まずは家族が集まって、それぞれの希望すること、そして希望しないことを話し合い、小さなことから大きなことまでラフな気持ちで書き出してみましょう。
未来へ向けて長く暮らす家ですので、できる限り各自が納得できるように、スタート時点での時間を掛けたいところです。話し合いにくいことはリストアップするのもよいですね。
一覧表にして間取りや設備、生活スタイル面などを話し合いながら優先順位を決めていきます。
ここをしっかりとクリアしておくことで、要望の思わぬ相違点を確認でき、住みはじめてからの「こんなはずじゃなかった」を減らすことができます。
次回はいよいよ二世帯住宅を考えるにあたってのポイント8点を紹介していきます!