不動産を売る前に土地の境界について確認しておく3つのポイント
今回は不動産を売る上で、必ず必要となってくる土地の境界についてご説明します。
道路境界で問題が生じることはあまりないのですが、隣家との敷地境界で問題が生じることが多くあります。
新しく土地分譲した土地は境界杭と登記測量図とで境界は明確ですが、境界杭がなく測量図もない昔からの町並みのところでは境界が明確でありません。
現在の不動産売買では、「売主は買主に隣地境界を明示する」のが原則です。
自分の土地は自分で守る事が必要ですし、将来トラブルの火種にならないよう注意が必要です。
今回は、未然にトラブルを防ぐために知っておくべき土地の境界についてのポイントを3点紹介します。
目次
ポイント1: 境界標(杭)を確認しよう
境界を表す杭の種類は様々あります。
見慣れない杭だと我々不動産業者も、たまに首をかしげるような種類の標や杭もあったりします。
まずは種類からですが、上からみた時にこんなのものや、
このような感じの標や杭があります。
まずは自分の土地の境界に標などあるか?両隣や後ろの方、隣接している家との境の全てにあるかないかを確認しましょう。
ポイント2: 法的な根拠のある書類で確認をしよう
法務局に登記してある、地積測量図などが「法的な根拠のある書類」にあたります。
不動産を購入した時などに添付してあるかもしれません。
こうした書類には、自身の所有している土地の寸法と面積が記載してあります。
これを基準に境界を話し合う事で、明確にしたりする事も可能な場合があります。
ただし、古い測量図になると、それが絶対かどうかはわかりません。境界を判断する一つの目安になると思ってください。
ポイント3: 境界がわかる当人に聞いておく
3つ目のポイントは、境界が分かる当人同士がいる間に確認しておくこと。
その土地を購入した、家を購入した時や人が一番事情を分かっているはずです。それが祖父なのか、親なのかはケースバイケースだと思いますが、よく売買で相談のあるケースが、所有者が無くなり相続人が全く隣地境界を理解していない時です。
塀や基礎といった工作物があっても、その境界がどこなのかが分からない・・・
何も目印がないような土地だと、全く知らないといわれる場合もあります。
境界を決めるのは最終的には当事者の話し合いです。正直みんながみんなで理解しあえるような状態で境界が決まるような事は、ほとんどありません。
お互いにわからないからどうしよう・・・というケースも少なくないですし、それが元で、隣人の関係性が崩れ紛争になるような場合もあります。
相続する側の方、相続される側の方、いずれの方から将来の事を考えて聞き取りをして情報を得ておく事が大切です。
資産を守りたいなら、家屋調査士にお願いしよう
最終的に不動産を売買するという時には、境界が確定できない場合ここにたどり着きます。
境界が不明確ということは、その土地を現地において特定できないということです。境界に関する問題のほとんどが、境界標が現地にないために起っています。境界杭が無くて自分の土地を確定することができなかったら・・・
誰もがトラブルを抱えそうな土地や家は買いたくありませんよね。
後でトラブルが起きたらもっと大変な事になりますから。裁判まで発展することもあります。
冒頭でも書いたように、境界の明示は売買において売主の義務です。
土地の境界線は関係所有者自身の自己管理が原則です。
不動産業者では、境界を決めるような事は、何もできないのが正直な現実です。
土地はいずれ相続されますが、代替わりをしてしまうとそれまでのいきさつが分からず、境界を決めることがいっそう難しくなってしまうのが一般的です。お互いの「安心」と「納得」のために、お隣同士協力し合って永久境界杭を設置し、最新の測量技術で将来に残る資料を作成しておくことができるのは、家屋調査士でしかありません。
当然、それなりの費用はかかりますが、資産を守るにしても、売るにしても将来を考えたら安い投資になるかと思います。
今回は少し、固い話になってしまいましたが・・・
オスカー不動産では、売買に関するご相談はもちろん、家屋調査士の手配などのお手伝いもしております。
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